第2話【義妹の少ない情報】

「あ、もしもし、五花です」


〈あ、レイちゃん。

どうかした?

今日はシフト入ってないよね?〉


俺は、母さんとの電話を切ってすぐに、俺がバイトしている喫茶店の店長である桜庭椛さんに電話をした。


「実はですね、、、。

ということがありまして、その義理の妹の面倒を見なければ行けなくなったので当分の間バイトを休ませてもらいたいのですが」


俺は、さっき母さんから聞いたことを掻い摘んで話し、バイトを休ませてもらいたいと話した。


〈なるほどなるほど。

はい、わかりました。

レイちゃんが抜けたところの変わりはこちらで探しておくのでレイちゃんは安心して義妹さんのことを考えてあげてください。

やっぱり、自分の家族が亡くなってしまうというのは精神的にとてもしんどいでしょうし、新しい家族が出来たといっても、元々ある家族関係の中に入るわけなので肩身の狭い思いでしょう。

その全部を解消するのは難しいとは思いますが、少しでもマシになるよう頑張ってあげてください〉


「はい、わかりました。

ありがとうございます」


〈何かあったら私にも頼ってください。

出来る限りお手伝いします〉


「ありがとうございます。

何かあれば、頼らせてもらいます。

迷惑をかけて申し訳ありません」


〈いいのですよ。

困った時はお互い様です。

また、バイトに入れるようになったら連絡ください〉


「はい、わかりました。

それでは失礼します」


電話をきると母さんからメッセージが来ていた。


「うわ、なが!」


メッセージを開くと4千字近くあるのではないかという長文が記されていた。


「まあ、とりあえず読むか」


結局読むのに十分ほどかかってしまった。


とりあえずこのメッセージに書かれていたことをまとめようと思う。


まず、俺の義理の妹になる女の子からまとめる。


1、俺の義理の妹になる女の子の名前が桔梗椎名。

これからは五花椎名になる。


2、俺と同じ高一、誕生日は十二月三日。

俺が十月一日が誕生日だから俺が兄になる。


3、成績は優秀でアメリカにある有名な高校に通っていた。


次にこれからの事をまとめる。


1、三日後の朝10時に空港に迎えに行く。


2、三日後の夕方に引越し業者が来てウチの空いている一室を椎名の部屋にしてそこに荷物を入れる。


3、椎名の歯ブラシなど小物を買いに行く。


4、俺の行っている高校の編入試験を受ける。


ということが書かれていた。


4千字も書いてあるにしては椎名の情報少ないな。


「ん?」


メッセージを読み、まとめるのに集中していたので、続いて母さんからメッセージが来ていたことに今気づいた。


「次は、何が書かれているんだ?」


俺は、また4千字ぐらいの長文を読まされるのかと緊張しながらメッセージを開いた。


「え!?」


そこに1枚の女の子写真が添付されていた。

肌は透き通って白く、写真からでもオーラのようなものを感じるほど綺麗だった。

どこかのアイドルやモデルだと言われても何も疑わないだろう。


「ん?

なんだ?」


画面の下の方に何か文字が打ってあったので画面を下にスクロールして文を読む。


この写真の子が椎名ちゃん。

この写真では綺麗に笑顔で写っているけど今は両親を失ったショックで笑わなくなって肌の張りなんかも落ちてきてるの。

何も出来ない親で申し訳ないけど、椎名ちゃんをよろしく頼むわ。


と書かれていた。


「まあ、そうだよな。

俺にできる限りの事は頑張ろう」


母さんにわかった出来るだけ頑張ってみるとメッセージを送る。


「新しい家族が出来ることへの不安も大切な人が死んでしまったことへの絶望感なんかもわかるだけに力になってあげたいという気持ちは大きいんだけどなぁ〜。

お母さん、俺はその子に何をしてあげればいいんだろう」


と俺は自分の部屋に行き、小さな写真立てに入っている写真に写った女性を見ながら呟く。


「さて、椎名の荷物を入れやすくするために掃除でもするか」


そうして俺は物置になっていた空き部屋の掃除に取りかかる。

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