Ex.3 冷や汁風ラーメン
「あっ、あづぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
異世界の赤道直下を旅している俺とナツ。休憩時にエアコンの効いた車内から外に出てみれば、容赦無く熱風が吹き付ける。ナツはさっさと車内に戻ってしまった。
風に当たっても全く涼しくはならない。こうなると熱風が噴き出るドライヤーを浴びているようだ。
「こんな所にいると死んでしまうな。少しでも涼しい所に行こう」
そんなわけでウニキャンを走らせて辿り着いたのは大きな湖の湖畔。
「まぁ、暑いけれどさっきよりましか……。見た目も涼しげだ」
湖の周辺は乾燥気味の大地の中にあって緑が豊かだ。木立が涼しげな影を作り出している。ここの気候は暑い上に乾燥しており水辺は気化熱で打ち水をしたように涼しげに感じる。
「こんなに暑い日には、冷たい昼飯が食べたいな。そうだ冷や汁とかは夏の定番のイメージだし冷や汁を作ろう」
俺はウニキャンのキャビンに戻ると材料を揃えて冷や汁を作ることにした。ご飯を炊こうと思ったところで袋麺が目に入った。
「そうだ、ご飯の代わりにラーメンを入れても良いかもしれない。味噌ラーメンがあるのだから冷や汁風ラーメンがあってもおかしくないよな」
俺はさっそく塩ラーメンの袋を開けて麺を茹で始めた。茹で上がった麺は氷水でよく冷やしておく。添付の粉末スープは少量のお湯で溶かして冷水で希釈する。
味噌とサバ味噌の缶詰をフライパンに入れて弱火でよく混ぜながら炒める。本場宮崎ではサバやアジなどの魚を使うようだ。今回はサバ缶を使ったが、手軽にツナ缶でもいいかもしれない。魚が苦手な人は魚は入れずに、トッピングにサラダチキンをのせるのもいいだろう。味噌から水分が抜けて固まってきたら火を止めて粗熱をとる。
先ほど作った冷たいスープで味噌を溶かす。
溶かした味噌に麺を入れて、きゅうりの輪切りと豆腐をちぎって入れたら出来上がりだ。
「よし、冷や汁風ラーメンの出来上がりだ!!」
キャンピングカーのサイドからオーニングを引き出してテーブルと椅子をセット。暑い中で冷たいものを食べるのは最高だからね!!
「いただきます」
ずる、ずる、ずるずる、ずる、ずる、ちゅぱ、ずる、ずる。
「んめ――!! これはたまらんですな!! この暑さに冷たいスープが五臓六腑に染み渡る――!!」
俺は夢中で冷や汁風ラーメンを食べると盛大にゲップした。その様子をナツが涼しいキャビンから呆れたように覗いていたが気にしない気にしない。
「いやー、食った。食ったー!」
これで、この暑さも乗り切れそうだ。
参考文献
【冷や汁の作り方】プロ監修レシピ。本場・宮崎の味が簡単にできる!
https://www.nichireifoods.co.jp/media/9566/
冷や汁ラーメン
https://tokubai.co.jp/recipes/53
〈謝辞〉
今回で連載100回目となりました。
ここまでこれたのも読者の皆様がフォローしたり、応援してくださったおかげです。
今後とも応援よろしくお願いします。
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