第十八話 ポテをつくる その2
まずは「ポテ」をつくる材料を並べてみる。
ヒールネ山脈を越える前に朝市で購入したソーセージ。リオリコ肉の塩漬け。豆煮会の時にオークさんに貰った何かの赤い豆。地球産のローリエ。ソラナム芋は皮を剥いて水に晒しておく。キャベツと玉ねぎは芯を残して切っておく。レシピによると煮るときにバラバラにならないようにだそうだ。そしてキャロッタ。これはたぶんにんじん。野菜は基本的に大きめのざくぎり。いわゆるゴロゴロ野菜ってやつだ。
まずは鍋に材料の野菜、ソーセージ、豆、ソラナム芋をゴロリと入れる。入れた後はなるべく平になるように均しておく。
リオリコ肉の塩漬けから余分な塩を軽く落としてから鍋に入れる。他の具材の中に隠すように入れる。
仕上げにローリエを入れる。鍋を火にかけて水を具材が全部浸るまで入れる。
一度沸騰させたら軽く灰汁を取る。この時に味見をして塩や胡椒が足りなかったら足しておく。
よく沸騰したら、少しコトコトするぐらいの火加減でじっくり煮込んでいく。
とりあえず一時間から二時間は煮るので時間がある。コーヒーでも飲むか。
コーヒーセットを車内から取り出して、外のテーブルに置く。キャンプチェアにどっかりと座ってコーヒーセットを入れているケースの蓋を開ける。
コーヒー豆はケニアでいいか。一杯分をコーヒーミルに投入して中挽で挽いていく。それと並行してアルコールストーブを使ってケトルでお湯を沸かす。今回使うアルストはVARGOのチタニウムコンバーターストーブを使う。
アルストの代名詞であるトランギアのアルストは横から見たら凸形状だが、VARGOは横から見た断面の形状は凹の形状で中心部に向かってすり鉢状に窪んでいて中央の燃焼口は小さく開口している。外周に沿って小さな穴が幾つか開いており、本燃焼の時は、そこからもジェット状の炎が出るようになっている。
コンバーターの名称なのは、本体をひっくり返すと固形燃料やジェル燃料の燃焼皿として使えるようになっているからだ。
このアルストは本燃焼に入るのにやや時間がかかるので、ちょっとした儀式が必要だ。
五徳にセットした本体にアルコール燃料を注いだら、まずは五徳の下に敷いた小皿でプレヒートを行う。
プレヒート皿に少量のアルコール燃料を垂らして火をつける。本体に入れてあるアルコールがプレヒートによって温まったところでアルスト本体に着火。するとすぐに本燃焼になる。
トランギアのケトルに水を入れて火にかける。
コーヒー豆を挽きながらケトルの様子を眺めていたら、アルストの燃焼が激しい。燃えている炎がケトルの側面を回って把手まで回っている。どうやらプレヒートの炎がまだ点いていて、火力が強くなっているようだ。
その様子を見ていたらケトルの把手に付いているゴムカバーが泡立ち溶け出している!?
俺は慌てて皮グローブをはめるとケトルを火から降ろしてゴムを取り払ったが、半分溶けてしまってもう使えない様子。
トランギアのケトルは焚き火にかける時にゴムカバーを外せるように切り込みが入れてあるのだが、これなら最初から取り外せばよかったよ。トランギアを使っている時は問題なかったので油断していた。
気落ちした俺は気を取り直してケトルを火にかけ直した。
※ケトルの把手カバーが溶けた話は実話です……。みなさんも火を扱う時には気をつけましょう!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます