10.海でバーベキューしてキャンプしよう!前編

 ラリーのアフターパーティーでカミオン部門出場者で親睦も兼ねてバーベキューでもしようという話になり優勝した兎獣人姉妹がスケジュール調整などを買って出たたのでお任せしていたが、今日はそのバーベキューの日だ。


 ちなみに各チームへの連絡伝達は俺の屋台経由で行われた。ラリーの後にみんな屋台に来てくれるようになったので連絡が取りやすいというのが理由だ。


 獣人国の都から南へ二時間ほど魔導車で行った所の海岸でバーベキューをやることになった。この世界に来てから海にはまだ行ってなかったな。海の幸とかあるのかな?


 今回のバーベキューは一人一品は持ち込む事になっている。それで昨日の内に仕込んでおいたので、後は現地で焼くだけだ。


 郊外の広場にメンバーが集ったので、兎獣人チームを先頭に出発だ。俺以外はトラックじゃなくてワゴンだったりバンタイプの魔導車に乗っているな。通常のテント泊のキャンプならトラックは要らないからな。ウニキャンは大きいので隊列の殿しんがりだ。


 相変わらずの平野を進んで行く。道路は広くて走りやすいので、のんびりドライブという感じだ。一時間ほど走った所の町で休憩して、また走る。


 一旦、海沿いの港町に出て、またちょっと内陸に戻って南下。海に近付いて来て緑が多くなってきた。内陸部は乾燥地帯で木も疎らだったしな。


 昼前には遠くの岬に灯台が見える海岸に着いた。どうやらここがバーベキューをやる海岸のようだ。しかしもう冬になったとは思えないほどの暖かさだ。行ったことはないけれど沖縄とかがそんな感じなんだろうか?


 オフシーズンかと思ったけれど海岸には結構人がいてバカンスを楽しんでいるようだ。しかしドライブ中はずっと寝ていたナツは今は元気に尻尾を振って海を見ている。現金なやつだ。


 海の色は南国の海らしい綺麗などこまでも澄んだ碧色あおいろ。砂浜から水平線まで綺麗なグラデーションをえがいている。遠くに積雲が見えるが見事な晴天で気持ちが良い。


 海岸に着いたので早速、バーベキューの準備とテントやタープの設営を始める。砂浜だとキャンプの難易度が高いし、潮の満ち引きもあるからテントを張ったりするのは防風林とかある地面の硬い場所で砂浜より内陸側の場所に設営する。


 バーベキューコンロはウニキャンの備え付けガスグリルを使ってもいいけれどバーベキューなら炭火の方が良いだろうという事で、バーベキューコンロは虎獣人チームが用意してくれた。


 炭の着火は虎獣人のアラルコスが火魔法で簡単に着火。ガストーチ要らずだな。俺が焚き火をする時にはアウトドア用のガストーチを使っているが、それさえも出番がないとはね。アラルコスが周囲に繊細な火力調整には自信があると自慢している。あー、そこで誰が火魔法が得意か対決しないように。危ないじゃないか。


 文明が近代化されているので、魔導具はいっぱい見かけるが、あまり街中とかで無闇に魔法を使わないので魔法を使っているのを見ると新鮮かもしれない。


 虎獣人のバルバラ、兎獣人のデイジリーとエルバや猫獣人のフローリカなどの女性陣は野菜などを切っている。男性陣は焼き係のようだ。地球でもバーベキューとなると何時もは料理をしない男性が焼くのを張り切って仕切るが、異世界でも同じみたいだ。


 アラルコスは分厚い肉を用意している。虎獣人はステーキでも作るつもりなのかな?兎獣人チームはニンジンの串を用意している。やっぱりニンジンが好きなのか……。牛獣人のカルロスとヒルベルトは肉を焼き始めた。何の肉か非常に気になる。猫獣人のイバンは魚介類を焼くつもりみたいだ。


 俺が用意したのは焼き鳥だ。ねぎま、かわ、つくね、かしわ、レバー、ぼんじり、砂肝といろいろ用意してみた。変わった所は豚串。塩が個人的には好きだがつくねはタレが美味しい。


 それぞれが用意した食材を焼きまくり、みんなで楽しく食べながらバーベキューパーティーの時間をのんびり過ごしたのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る