チート能力をもらえなかった主人公、並行世界で流されて生きていきます!
セビィ
プロローグ ~庭付き霊付き一戸建て生活始めました!?~
年代が感じられる洋館の一室。
赤い
この部屋を簡潔に説明するならシックで落ち着いた中世ヨーロッパ風、と言えば伝わるだろうか。
「ねぇ~……」
ソファーに深々と腰掛けて物思いに
年の頃は16、7歳。
「……」
「聞こえてる?」
「あーっ! 無視したー! ちょっとーっ! 聞こえてるんでしょー!?」
先ほどの猫なで声はどこへやら。
非難の声を無視して俺は天井を見上げて
何を考えるかって?
それはズバリ「これからの事を」だ。
「ちょっとー? もしもーーし?」
とても漠然とした議題ではあるんだが、今の俺にとってはそれが重要な内容なんだよな。
何故かと言うと―――
ブォンッ!!
「おわぁぁっ!?」
条件反射で避けようとするが間に合わず、そのまま拳は俺の顔面に……。
スカッッ……。
当たらずにすり抜けた。
だが回避行動を取った俺の体は途中で止まってくれず勢いよく床に肩から倒れこむ。
ズシャアァァ!!
「いっってぇっ……! さ、サキィィィーー!!!!」
「あはははーっっ!!」
サキと呼んだ巫女服の少女が両手でお腹を抱えながら俺の
「あーっ、利剣のびびり顔ウケるーっ! あはははっっ!!」
「くっ……。一体どうしてこんな事になっちまったんだ……」
笑われた恥ずかしさで顔を赤くした俺こと
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