駅の待合室

猫探し(マカ)

第1話

駅のホームで


駅で、彼に会いたい。



 

 仙台駅から6駅以上の場所には商業ビル、高層ビルが無い町へと続いている。このまちなかは、散歩コースが多く存在し歴史的建造もある。この駅には、ホームの頭上を遊歩道が橋となり、町の住民が駅をいつも間近に感じられる工夫がされている。



  柴田町に有る、槻木駅で有る。


 しかも、夕方以降は地縛霊や、浮遊霊が出没してきそうな気配を放っている。駅自体が築20年以上は経過している建造だからこそかもしれない。


 レトロ感溢れる駅に、親しみを感じやすくされて居心地が良い場合もある。


 特に駅の中で年期が入っている2,3番の間に有る待合室。この待合室には、沢山の人々が電車を待ちに待合室へと入り込んで来る。



 駅の、ホームの待ち人。


『 私には、待ち人は居ない。 』


 朝の通勤、通学のラッシュから昼間で駅に居る人々のすべてが誰かを待っている。


( 駅で待っている人が、居ない訳じゃ無いんだ。。。。 )


 でも、駅で待ち続けても、私が望んでいる人は、駅に来る事は出来ない。私の待つ彼は、いつ会えるか分からない。


(用事があり過ぎる)


 近くの町に、住んでいる訳じゃないから。たとえ、会ってもそのすれ違いは待っていた訳でもなくすぐに気配すら消える。


( 彼に、会いたい。 )

 

 駅の、ホームに有る待合室。

15時も過ぎて日も暮れ始めた夕方になった空。駅の待合室にはエアコンも扇風機の一つも無く、蒸された窯の中の様な熱を持っていた。何故誰も待合室の引き戸や、窓を開けなかったのかが、不思議でしょうがない。


 風の街と言われるほど、風が有る街なかの仙台とは真逆で有る。だから、親しみがある町中。とは言え、仙台市内でも風が建物で遮られてしまう場所も有る。

 

『 お待たせーっ!! 』


 と言って待ちくたびれた、20代前後の黒髪のショートカットの秋らしい服装の女性が友人であろう茶髪のパーマを巻いた女の子らしい服装の女性に駆け寄って行く。


 ショートカットの女性は、駆け寄る際、友人と目が会った瞬間に目の色が変わった。目の中にまるで、花が咲いた様に瞳孔が広がり黒が真ん丸に成った。(『 お待たせーっ!! 』)のおの字が、ワントーン上がった。


ーーー 愛が、溢れすぎていて

愛嬌満点だ。この行動は、何者にも変えられない。ーーー


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