第28話 新たな友人
「能力がある、それが不完全故に身近な人が亡くなった時の後悔がより大きくなったのかもしれませんね」
「英二郎さんならなんとかなりません?」
「そうですね、人では無いぶん許容される面は大きいかとは思います」
「所詮はAIかってこと?」
「認めたくはありませんが、一般的にはそう思われるのは当然かと」
「なるほど、ところですでに犯人は分ってます?」
「はい、当然です、ですが内容が18禁に触れる恐れがあるので詳しくはお教えできません」
「それだけで内容が屑なのが想像できますね」
「はい、それを貯め撮りしてお金を稼ごうと思っていたようで、一応外部の協力者も特定しております」
「なるほどね、分かりやすいですね」
「はい、とても」
「なら今回は私の出番は無さそうですね」
「そうとも限りませんよ?」
「それってどういう意味?」
すると階段下から夕凪を呼ぶ、祖母の声が聞こえてくる
「ゆ~ちゃんお客さんですよ」
「は~い」
「誰だろうこんな時間に?」
「行ってみれば分かりますよ」
部屋を出て階段を下りていく
下りていく途中で声が聞こえてくる
「あなたはまだまだお若いですよ、人生まだまだエンジョイできますよ」
「あらお若いだなんて、若いのに上手ね」
夕凪は声で誰だか分かった
右京滋だ、たしかに数百年生きている右京滋からしてみれば祖母は子供のような年齢だろう、ただ右京慈ってこんな感じだっけと少し疑問に思う
夕凪が玄関に到着すると
「誰だいこの男前の人は、機会があれば夕飯にでも誘ってちょうだい」
祖母は夕凪に耳打ちをしその場から去っていく
夕凪達は蔵から殺気を感じていた
「君たちはいろいろととんでもない物を飼っているようだね、敵対しないでよかったよ」
「こんな時間に何の用ですか?英二郎さんは知っていたようですが」
「それならっ話は早い、美央君が友達を失って悲しんでいると聞いたので、お友達を連れてきました、こちらへ」
「はじめまして」
「この子は人じゃない・・・」
「その通り!、詳しくは英二郎君に聞いてくれたまえ、明日美央君の学校へ転入させようと思ってね」
「大丈夫人、を襲わないようには訓練してあるので、ただ、僕たちが教える以上に人間のしかも同世代くらいの中で訓練した方が得る者が多いかなと思ってね」
「は、はぁ・・・そんなこと可能なんですかね」
「こんな事は初めての試みなので非常に興味深くてね、ところで美央君は?」
「部屋に籠ってます」
「おおう、なんと嘆かわしい、死者の魂の為にお祈りしているのですね、なんとも嘆かわしい、残念だが彼女の事は夕凪君から伝えておいてくれたまえ、ちなみに美央君と同じクラスになるよう調整しておいたから、では帰るとしようか」
「さようなら」
連れて来られた少女の言葉に一切の感情はなかった
右近慈は帰っていった
「英二郎さんこれはどういう事でしょうか?」
「長くなりますが、一応経緯は説明させていただきます」
「時間はたっぷりあるわ」
「はい」
一応の経緯を聞いた夕凪は翌朝、美央に転入生の事を話した。
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