第11話 レヴィアタン

「なに!? セーラ姫様だと!?」

 ロザリーのライフルの引き金を引く手がギリギリの所で止まる。

「本当だ! 姫様は、ハリウッド国の正当な継承者であるぞ!」

 現在はデミ教皇が宗教国家ハリウッドの政治をになっているが、セーラが成人になればハリウッド国の女王になる。セーラの父親の王と母親のアンジー王妃は亡くなっている。

「そ、そういえば亡き王妃の面影が・・・ない。やっぱり殺す!」

 ニコニコ笑顔を振りまくセーラ。しかし無駄に終わりガクンとする。

「ロザリー、ヘスティアーが言うなら。間違いないよ。」

 殺気が満ち溢れていたロザリーをアロアが止める。

「どうしてよ?」

「だって、ヘスティアーはゴロゴロ仲間だもん。ニコッ。」

 ここで役に立つゴロゴロ会。会員のヘスティアーとアロアの友情の絆である。

「分かったわ。アロアが言うなら、そうに違いない。」

 ロザリーはアロアが大好きなので、いつもアロアには弱い。

「納得するんかい!?」

 ツッコミを入れるが、命拾いした俺とセーラ姫。

「とりあえず休戦して、ゴロゴロしましょう!」

「するか!?」

 ヘスティアーにツッコむ俺とセーラ姫。

「ゴロゴロ~。みんなでやろうよ。楽しいよ。ゴロゴロ~。」

「アロア、カワイイ!」

 ロザリーはアロアには本当に弱かった。

「ねえ、あなた竜神様なんでしょ? 魔物が人間界にやって来るのを防ぐ役目があるんじゃないの? どうして、こんな所にいるのよ。」

 セーラはロザリーに尋ねてみた。

「ルシファー様が天界からいなくなって、人間界にやってくる魔物が多くなり過ぎて倒しきれないから、身の危険を感じてアロアと一緒に逃げてきたの。エヘッ。」

 ロザリーは可愛く笑って見せる。

「可愛い子ぶるな! 仕事しろ! 仕事!」

 ロザリーは竜神様失格である。

「これでも私は元は魔王7将軍の一人、悪魔レヴィアタンだぞ! 私が竜神様をやっているおかげで、半分くらいの悪魔は人間界に来ないんだぞ!」

 魔王7将軍とは、ルシファー、サタン、マモン、ベルゼブブ、アスモデウス、ベルフェゴールに、レヴィアタンを加えた7人である。

「悪魔レヴィアタンが竜神リヴァイアサンになって、私は水のハリウッド持ちとして、竜神様の力を授かったのだ。ワッハッハー!」

「ロザリー! スゴイ! ロザリー! 一番!」

「アロア! もっと言って!」

「ロザリー! 素敵!」

 アロアとロザリーはとても仲が良い。

「なんなんだ? この二人は。」

 呆れる俺とセーラ姫。

「今の魔界はいかない方がいいよ。荒れてるから。」

 いよいよ俺たちは魔界に突入する。

 つづく。

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