第6話 ベリアル

「私を知っているとは、おまえたちは何者だ?」

 ベリアルは自分のことが知られていることに優越感と嫌悪感を感じる。

「私はセーラ! この国の姫である! そして、恋人のアーサー! 宗教国家ハリウッドの10司教の1人ヘスティアーよ! どう? ビビった? 大人しく観念するなら、仲間にしてあげてもいいわよ!」

 セーラは悪魔と聞いてもベリアルのことを詳しく知らないので強気である。

「ワッハッハー! 面白いお姫様だ!」

 ベリアルは突如笑い出す。

「何がおかしいのよ!?」

 馬鹿にされて笑われて不機嫌なセーラ。

「知らない、無知というのは本当に恐ろしいものです。そこのあなた。」

 ベリアルはヘスティアーを指名する。

「はい!? 私ですか?」

 指名されて驚くヘスティアー。

「ハリウッドの10司教ということは、元オリュンポス12神の一人でしょ?」

「はい。」

 実はヘスティアーは元は女神さまであった。

「ええー!? ヘスティアーって、女神だったの!?」

 真実を知って驚くセーラ。

「きっとゴロゴロの女神だ。」

 いつも呑気で引きこもりで家でゴロゴロしているイメージのヘスティアーにしか俺には思えなかった。

「この世間知らずのお姫様に、私のことを紹介してくださいな。」

「悪魔ベリアルは、元々は天使でサタナエルという名前だったらしい。でも神とケンカして魔界に行っちゃって、悪、邪悪なる者、無価値な者というなのベリアルという名前になった。」

 ヘスティアーの知識ではこんなものである。

「ダメですね。私が補足しましょう。私は現在、行方不明のルシファーに次いで神に創造された2番目の天使です。私が神に生み出された理由は、神が退屈なので人間を滅ぼして遊ぼうとしたので、私は、そんな幼稚な遊びには付き合っていられないので地獄に行き堕天使となったのです。」

 ベリアルは自身の人生を語る。

「詳しい説明をありがとうございます。ヘスティアーは使えない子なんです。」

 セーラはベリアルに頭を下げた。

「ガーン!? 私は使えない子なんだ・・・・・・。」

 呑気なヘスティアーも言葉の暴力にダメージを受ける。

「そんな、おまえがなぜ、人間界に現れた!?」

 アーサーはベリアルに問う。

「簡単なことです。私は天界に行き、神になるのです。」

 ベリアルの目的は神になることだった。

「なんだって!?」

「神になるですって!?」

 俺もセーラ姫もベリアルの神になる発言に驚いた。

「そうです。私は神になり、全てを破壊します。邪魔をするなら、あなたたちから先に消してあげましょう。」

 ついにベリアルと開戦する。

 つづく。

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