なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが！！

第266話 でもエレネアは...

「でもエレネアは、私の事を助けてくれたよね？、見捨てて逃げても良かったのにここまで運んでくれた」

「確かに運んで上げたけど、それは命の恩人だからね、流石に命助けてくれた人を放っては置けなかったから...、所で話は変わるんだけど...」

　突然もじもじしだす彼女。

「あの...良かったらアアル君を呼んでくれないかな？、カリンの召喚獣なんだよね？」

「話変わりすぎぃ！」

　私は思わず突っ込んだが、どうしてもという彼女のお願いにより、渋々アアルを召喚した。

　ところが、召喚されるや否や、一瞬で私の後ろに隠れる彼。

「どうしたのアアル？」

(チクチク嫌〜...)

「えっ？」

　ガタガタと体を震わせながら、じっとエレネアを見つめる彼の表情はそう訴えかけているようでした。

「どうしたのアアル？」(2回目)

「エレネア怖い！」

「えっ！？」

　なぜそんなにも彼女を怖がるのか、私にはよくわかりませんが、ニヤつく彼女の表情は留まることを知りません。

「アアル君♡」

　そう呟いた彼女の体から、蔦のような物が伸びて来て彼を捕まえました。

「助けてカリン！」

　叫ぶ彼の姿が何処と無く面白く思えてしまいます。

　いつも取り乱さないアアルがあそこまで震えるなんて、とてもエレネアに興味が出てきました。

「アアル...、頑張っ！」

「そんな〜...」

　アアルを捕らえた彼女は、彼を手にとって頬ずりし始めました。

「ああ〜♡、アアル君ふわっふわで可愛い〜♡」

「エレネアの肌チクチクするから嫌〜...」

　かなり嫌そうな表情を浮かべる彼と、凄く嬉しそうな表情を浮かべる彼女の対比は見ていて面白い。

(アアルは嫌そうだけど...、エレネアは嬉しそうだからいっか！、とりあえず明日までなにもできそうにないからもう寝よう)

　私は丁度いいソファに寝転がると、ある事を思い出しました。

(あっ...、私の家族心配してないかな？)

　それが少し不安です。

　まだ小学生の女の子が夜に返ってこないとなると皆で探さないか不安になってしまう私なのでした。