第227話 クティル王国祭終了

「カリンちゃ〜ん!朝ですよ〜」


 お母さんの声がしたから聞こえてくるが動けそうもない。


「お母さ〜ん!寒くて動けな〜い!」


 一応そう返すと、母さんが言葉を返してくれました。


「そうなの〜?、わかったわ〜!」


 一階から私の部屋にまで声を届かせているので、結構大きな声を出しているとは思います。

 母さんが答え終わると...。


「うわぁ...暖か〜い!」


 いきなり私の部屋が暖かくなってきました。


「ごめんなさ〜い!、カリンちゃんの部屋に魔力通すのは忘れてたみた〜い!」


 魔力を通す?。

 まあ原理は分かりませんけど、この暖かさはきっと魔法なんでしょうね。


「母さんありがと〜う!、これなら動けるよ〜!」


 私はようやくベッドから起き上がることができました。

 さっきまでとまるで違う暖かさに驚きを隠せません。


(まるでヒーターをずっと付けてたみたいに暖かい!、一瞬でここまでできるなんて...、やっぱり母さんは凄いです!)


 鼻歌を歌いながら着替えていると...。


「お〜い!カリン!今日は寒いからマフラーでも...」


 不意に入ってこられたので、私はパンツ一枚の姿を兄さんに見せてしまい固まってしまいます。


「お兄ちゃん///!」


 咄嗟に両手で胸を隠しながら大声で叫んでしまいましたが、兄はははっと笑って誤魔化していました。


「どうしたんだよカリン」


「いやっ...、恥ずかしい///!!」


 堂々としている彼を見ていると、こちらだけが恥ずかしがっているような気持ちになってしまい、余計な羞恥心を覚えてしまいました。

 キッとしたきつい目線を兄に送りながら魔法をぶっ放してしまい、壁に叩きつけられる兄の姿を見ら後で扉を閉じる私。

 ハァハァと息を切らしながら急いで冬用の服に着替えて行きます。


 〜着替え中〜


「これで良しっ」


 私は冬用の服の着こなしを鏡で見て満足していました。


(うんっ!割と見た目は悪くないかな!、後はこれで町を歩いても問題ないかって事だけ後で確認しないとね)


 今日は日本ならば元旦です。

 それなのにいつもと変わらないようなノリで入ってきたお兄ちゃんを見る限りでは、こっちの世界では元旦は別に重要な行事でもないのでしょう。

 どちらかと言えば大晦日であるクティル王国祭の期間の方がドタバタしていた感じがしますね。


(でもクティル王国祭楽しかったな...、色んな物見れたし、経験もいっぱいできたと思う!、あ〜あ来年早くこないかな〜)


 そう思っていると、ついつい笑みがこぼれる私。

 いけないいけない、完全に思考回路が小学一年生の考え方をしていました。

 なんかこういう年の始まりって無駄にテンション上がりませんか?。


「今年は何をしよっかな〜」


 それを考えているとワクワクが止まりません。


「今年こそ自由に空を飛びたいな〜」


 今年の目標もとりあえずはそれですね。

 去年は浮くことができたので、今年こそは!と考える私でした。

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