なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが！！

第115話 久しぶりの故郷

「ようやく帰って来れた！、魔導王国クティル！」

　私は遠くから町の外装を眺めていた。

　草原との風景相性は相変わらずマッチしており美しい国だと思える。

　緑色のポニーテールを風に揺らしながら、ひさびさの故郷に思いを馳せた。

　〜クティル王国〜

　元々この王国の住民である私はすぐに入れた。

　さて、まずはなにをしようか。

　喫茶店にでも行ってとりあえず落ち着こうかな。

　私は喫茶店「クルージュ」に向かい、一杯のお茶を頼んだ。

　懐かしい味を楽しみながら、昔の記憶を呼び起こす。

　やっぱり久しぶりの故郷だとこう言う気分になるんだなと思える。

　街並みや空気感、細部に至るまで覚えている。

　幼少期を過ごした場所をそう簡単に忘れるわけがないのだ。

　近くの店で購入した果実をかじりながら物思いに耽る。

「でも本当に発展したな、10年くらい前なんて身内同士で戦争みたいな事やってて国が崩壊していたのにね...」

　思わず笑い出す。

　あの苦い記憶を、私が国を捨てた訳を。

　そして今ここに戻ってきている理由を。

　今の平和なクティル王国であれば、他の場所よりも安全に稼げると思ったからだ。

　命がけの冒険稼業もいいけれど、少し疲れてしまった。

　また、もう一つ理由がある。

　当時生まれたばかりだった彼女の葬いだ。

　私がまだ幼い時に親が2人とも死に、稼ぐ手段もなかったので妹を教会に置き去りにしたのだ。

　もしかしたら世話をしてくれるかもしれないと言う期待で置いてきたのだが、望みは薄いだろう。

　私はお茶を飲み干すと、戦争で死んだ者を葬ぐ石碑の前に来ていた。

　ここは町一番の教会で、毎日のように人が来ては祈りを捧げているらしい。

　まっ、私はただ家族の葬いの為に来ただけなのだが、淡い期待を持って祈りを捧げる。

　私が祈りを捧げていると、金髪のシスターに会釈をされたので返した。

　その後で、こう念じ淡い期待を募らせる。

(妹が生きていますように...)

　私は教会から出て町を探索する。

　とりあえず宿の一つでもとって落ち着いてからこの町の空気を楽しもうとした時。

　偶然学校の門に入っていく2人の少女が見えた。

　1人は茶髪で育ちが良さそうな子供。

　そちらはどうでもいいのだが、問題なのはもう1人だった。

　緑色のポニーテールをなびかせながら元気に走っていく少女。

(まさかな...)

　自分の小さい頃にそっくりなので思わず声をかけそうになったが、門の中へと入っていくのが早すぎて声をかけられなかった。

　他人の空似という可能性もあるのだが、調べずにはいられなかった。

　私は学校が終わる時間頃に待機して、彼女が出てくるのを待った。