第66話 プラムへの嫌悪

「先生ご相談が」


「なんでしょうかカリンさん?」


 私は自分から話しかけたのに思わず顔をしかめた。

 なんでだろう...、彼女が先生とはいえ子供の様な風貌だからだろうか?。

 でも言わずにはいられない、私だけはにはわかる先生から感じる魔力、これは...。


「ここではあれですから放課後誰もいなくなってから...教室で...」


「わかりました、では後ほど...」


 彼女はただそれだけ言うと職員室の方に向かって言った。

 彼女の授業を受けて見たが、普通に分かりやすく人当たりも良い、まさに理想の先生なのだが、私にはどうにも引っかかるこちがあった。


 〜放課後〜

 夕焼けが机と私たちを照らしてくれている。

 誰もいない教室に生徒と先生が一人ポツンと対面で向かいあっている。


「では相談とやらを聞きましょうか?カリンさん?」


 私は息を静かに吸って吐いた。

 気分を落ち着かせるためだ。

 この距離で魔力の質を直に感じ取った私は意を決して彼女に質問する。


「プラム先生は、私のお母さんの親戚か何かですか?」


 そう、魔力の質が私や母さんの波長に似ている。

 自然に溢れ出ているマナですら家族でもないのに濃く感じられるので、気持ち悪くてしょうがなかったのだ。

 もしも母さんの親戚か何かだったのであればスッキリすると思って切り出したのだ。

 一瞬の静寂が辺りを包み込み。

 何かまずいことを聞いてしまったんじゃないかと内心ヒヤヒヤしていると、彼女は少し距離を開けた。


「何も聞いてないのね...」


「え?」


 距離を開けられた上に小さく呟かれたので私には聞こえなかった。


「ううん...こっちの話、カリンさん...いえカリンの言う通り、私は賢聖エルカの...」


(妹?...いやいや似てないよね色々と...、だったら親?いやいや、それも絶対にないな...)


 私がどうにか当てようと四苦八苦していると、ついに答えを切り出される。


「姉」


「はっ!?」


 思わず素ではっ!?と言ってしまったので慌てて口を抑える。

 どう見てもグラマーな母さんと比べて、彼女はあまりにも幼すぎる。

 それが姉さん?にわかに信じられないが、この波長を感じられると言うことは間違いなだろう。

 彼女は静かに笑いながら私の頭を撫でた。


「大丈夫...先生は貴方の味方だから...」


 彼女の手は小さかったが、確かな優しさと温かさを感じた。

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