第65話 新しい先生
キ〜ン〜コ〜ンカ〜ン〜コ〜ン
今日も一日が始まるチャイムがなる。
私たちは皆席について待っているのだが、先生がなかなか来ない。
もう1時間目が始まって5分が立つのだが誰も来ない。
「ちょっと僕が職員室に聞いてくるよ」
フレイ君が先頭を切って発言したのでトウマ君が「俺様が聞いてくる」と先に出て行ってしまった。
しかし、トウマも戻ってこず、更に5分が経った頃。
ようやくトウマが顔を扉から覗かせたかと思うと、知らない子が伸びている彼の服を掴みながら入って来た。
その子は白髪の長い髪を腰のあたりまで伸ばしていて、青く済んだ瞳が特徴的だ。
どことなく神秘的な雰囲気を纏い、まるで何かの精霊の様にも感じる。
どことなく感じられる気の様な物がアアルに近い。
私はてっきり2年生かな?と思っていたのだが、どう見ても服装が生徒の物とは違っていた。
彼女はトウマを彼の席に無理やり座らせると、チョークで黒板に自分の名前を書き始めた。
身長が足りないので魔法で浮遊しそこまで届かせている姿はどことなく子供らしい。
黒板にプラムと書き終わると、こちらに向いて教卓の後ろにある椅子に立ってこう発言した。
「本日から皆さんの教師になりましたプラムと申します、以後お見知りおきを」
クラスの空気が凍結する。
(えっ?まさかこの子が新しい教師?私たちと見た目年齢変わらないよね?)
私は思わず手を上げて尋ねる。
「はい、カリンさんどうぞ」
(もう私の名前を知ってる...)
ごくっと生唾を飲み込み質問を続ける。
「プラムさんでしたね?先ほどの発言は貴方が今日からこのクラスの担任の先生であることを示唆していると考えてよろしいのですね?」
一応目上の立場の人間と言い張るので丁寧な口使いを心がける。
返ってきた返事は...。
「カリンさんの質問通りです、私プラムが今日からこのクラスの担任になりました」
「以前の先生は?」
「先日お辞めになられましたよ...」
なんだろう、今一瞬だけ冷ややかな目になったような...。
これ以上口を聞いても何も得られるものはないと思い「ありがとうございました」とだけ言って着席した。
皆ポカ〜ンと口を開けているので、今起きたことを頭の中で整理するのがやっとの様子だった。
「では今から授業始めます!」
私たちと先生の付き合いが今日から始まった。
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