第56話 お風呂でお話
私はいつものように汗を流す。
かけ湯で軽く流した後、先に体を洗うのだ。
アアルの体も一緒に洗ってしまう。
かけ湯をかけると、彼は少し嫌がるが、すぐに暖かさに心を取られた。
かけ湯用のカップにお湯を入れて、鳥用のお風呂のようにする。
「気持ちいいねアアル!」
私は彼に話しかけながらお湯に浸かりほっこりとする。
疲れが湯に染み込んでいくようで気持ちいい。
30分くらいお風呂に入っていようかなと思っていると、なぜか兄が入ってきたのでびっくりして大声を上げた。
「ど、どうしたんだカリン!、そんな大声あげてびっくりしたじゃないか!」
「びっくりしたのはこっちだよ!、なんでにーにがお風呂に突撃してきたの!?」
「そりゃあ、妹の一糸まとわぬ姿をみて成長ぶりを確認するためにだな」
「変態!」
思わずシャンプーやらリンスの箱を投げてしまい、お兄ちゃんを風呂場から追い出す。
良かったのはまだアソコを見ないようにしていたので助かったが、年頃の男のアレを見たならば、私は卒倒していただろう。
中身は中3の初心な女の子なので見ていなくて本当に良かったと思う。
いくら小1の体とはいえ、こちらからすればよく知らない男に裸を見られることになるので、恥ずかしいなんてものでは無い。
ハァハァと息を切らしながら兄が去っていく足音を聞いて安心した私はゆっくりと湯船に身を沈めた。
「なんで家で疲れないといけないの...」
私がため息を吐くとアアルに笑われる。
「別に裸くらい見られてもいいんじゃない?、僕なんてずっと裸晒してるよ?」
「鳥と人間同じにしちゃダメ!」
う〜、と唸る私をずっと笑いながら見る彼がいた。
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