第38話 フレイの受勲
私とパニラがそうこうしていると、急に彼女慌てたような表情をした。
「いけない!、カリンちゃんと会って嬉しかったからつい遊びすぎちゃった!」
(そうかな?まだ会ってから10分も経ってないと思うけど...)
10分で遊びすぎと思うとは...、もしかしてパニラって以外と多忙なのかな?
私がそう思っていると、見慣れた顔が後ろから現れたのでそれに驚愕した。
「おや?、やはり来ていたみたいだねカリンさん」
そう、フレイだ。
「え!?フレイ君!?」
そう、フレイだ(2回目)。
彼はふっと笑うと、パニラに膝まづきながらこう言う。
「パニラ様、騎士フレイただ今参上致しました!」
ビシッと決めた彼の風貌は、いつも学校で見る物ではなく、まるで姫に使える王国騎士のようであった。
(フレイ君...、小1なのにカッコいい...)
こんな小1がいてたまるか!と思うくらいにはカッコいい。
もしも前世でこんな子がいたら、絶対に声をかけられないだろう。
前の私とでは文字通り月とスッポンにしかならない。
今でこそカリンという体を借りているのでまだ話せるが、林華では絶対に目も合わせられないだろう。
(ん?...騎士...?)
私は目を丸くしてこの光景を見る...。
フレイが頭を下げているのはパニラということは、彼女がフレイの主人ということか?
ちょっとだけ羨ましいと思うが、これは仕方ない。
心の中でジェラシーのような物が燃え上がったが、必死に抑える。
どうでもいいことかもしれないが、乙女心的にちょっとね...。
私がこんな事で困惑していると、パニラが「顔を上げてくださいフレイ」と言いながら手を差し伸べる。
「よくぞ試練を乗り越えられました、貴方を我がクティル王国の騎士と認めこれを捧げます」
彼女は銀色の鳥の形をした首飾りを彼の首に掛ける。
彼はそれを受け取ると「ありがたき幸せ、騎士フレイはこれからも精進致します」と礼儀正しく言葉を並べる。
何が起きたのかよく分からないが、とりあえず彼が騎士らしき者になったのはわかる。
はは〜ん、分かったぞ...、子供の遊びだな!、パニラが姫さま役でフレイが受勲を受けた騎士役か!。
そう思うと彼女のこの姿にも合点が行く。
いやいや待て待て、本当にそうか?、結構まともな雰囲気だぞ...。
目の前で起きたことが本当なのか遊びなのか分からず、頭を抱えていると。
「そろそろパーティが始まる!、パニラ様急ぎましょう!、カリンさんも早く!」
「え!?...え!?」
2人が駆け出したので、私もついて行った。
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