Regllanead ~where are you?~

@majorangresive

第1話 なんて平和な日だ。

今日は雲一つもないきらびやかな快晴だ。カラスはゴミ箱をあさり汚く腐ったリンゴのような物体をパクパクと口の中に少しずつ入れ、女子高校たちはSNSに投稿するために買ったタピオカを路上で捨てていき、それをホームレスが颯爽と駆け付け拾っていく。活動家と呼ばれるような者たちは言語とはとれない雑音をあちらこちらで叫んでる。この国、つまりアリバ合衆国に生まれてほんとに良かった。ほかの国に生まれていたら戦争にかりだされ、今頃無数の銃弾に刺された遺体が発見されているだろうし、共産主義国に生まれていたら自由も希望もない、真っ暗な白色の光を突き進むしかなかったであろう。


そんなことを考えながらトコトコと歩いていると、家電ショップのレトロチックなテレビの周りに、かなりの数の人だまりを見つけた。

その数はパッと見るだけでもかなりの人数であり周りのものの顔はみな、顔色が青鬼のように青紫になっている。

「あれ?今日はなにかあったのか?」

俺は少しずつ彼らと距離を近づけていく。タンタンと…

彼らが何故青ざめているのかがよくわからなかったが、テレビをみると少しずつ意味が理解できてきた。


「嘘だろ…この国でテロだなんて…」


なんと国会でテロが起り、そいつらに国が乗っ取られてしまったのだ!最近では共産主義国が民族弾圧などをしているのは知っていたが、まさかこの国でそれに近いことが起こるとは夢にも思っていなかった。どうやら嘘つきマスゴミたちのが言うことが本当ならば、テロが発生した時軍隊を持たない我が国は彼らを抑えることができなく、国のお偉いさんたちは白旗を掲げ簡単に彼らにこの国をあげたというではないか!俺も到底信じられなかったが国営放送でも同じ内容のことが報道されたため、虚偽の事実でなく現実に起こったことだと理解した。

俺は怒りを表すうなり声とも、悲しみを表現する叫びともとれない曖昧な、なんとも言えないような声をだしながら涙ぐんだ。


その後の生活が前と比べ悲痛なものになるとは、まだこのころはだれも思ってもみなかった。

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