傷み

卯月レン

プロローグ

わたしのママは弟を産んでから家事はもちろん、育児もしない。

わたしは、弟と一緒に祖父母の家に行こうとした。

だけど、殴られて蹴られて弱くなったわたしを柱に縛り付ける。

パパはそんなママが嫌いで家を出ていった。

わたしは小学1年生、弟は3才になる。

キュルキュル~とお腹が鳴る。

もう2日なにも食べていない。

弟は泣くばかりでママの怒りの矛先はわたしになる。

柱に縛られながらどう対応すればいいのか、6才の頭では考えられないであろう。

最近のママはお顔をきれいにして出掛けていく。どうやら、「彼氏」ができたらしい。

ママがお出掛けをするときは弟の世話をするようにとわずかなお金を渡される。

あのドアから出ていくとき青空が広がっているのを見ると、わたしも外に出たくなる。

でも、それは叶えられない。



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