悪役令嬢オブザデッド

ニート

第1話

 「お前との婚約は当然なしだ、今すぐ出ていけ!!」

わたしは住む家も宝石類も貯めていたお金など皇太子から得たものをそのときすべて失ったのである。しかし、後悔はしてない。自分の気持ちに嘘を付けないわたしを嫌いになることなんてできないのだからだ。とはいえこれからどうすべきか? 今後どうやって生きていくか考えなくてはならないのは変わらない。そのためにアルバイトの面接を受けにいく途中である。一応履歴書は書いたものの受かる自身なんてまったくない、いままで仕事どころかバイトすらしたことのない箱入り娘として育てられたにもかかわらずわが家系から代々続く王族の血を得るための機会を失ってしまったのだ。もう実家に帰るわけにもいかず自分の力のみで生活していかなければならないのである。というわけで目的のコンビニに着いた。


「あのー、こちらでバイト募集してるってきいたんですけどぉー……」


……………………

誰もいないのか、まだ昼間である。こんな時間にレジに一人もいないコンビニがあるのだろうか、というか店がやけに荒れている気がする。商品があちらこちらに散らばって棚ごと倒れているところもあった。この店大丈夫か!? いや、大丈夫じゃないのは世間知らずのわたしのほうである。余計なこと考えてないでさっさと面接してもらうために誰か見せのスタッフを探さなくては。

「おーい、誰かいませんかー?」

何度も声をかけるもどこからも返事が来る気配すらない。本当にここはコンビニとして機能しているのだろうか……!?

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