昭和回顧録 ときたま☆こらむ(オンライン書き下ろし版)
こゆるぎ美冬
第1話 あなたの眼の中に……
ええと、まずは名作漫画の小ネタでも書いておきましょうか。
漫画界の巨匠・手塚治虫先生の著作には、小説・戯曲をモチーフにしたエピソードが幾つも存在します。演劇が主軸のピカレスク・ロマン「七色いんこ」がその最もたる例。
しかしここでご紹介したいのは、昔ビッグコミックで連載された大人向けの作品「I.L(アイエル)」のエピソード、第8話【マネキン】。
天才的演技力とは裏腹に自分自身を持たない(持てない)女優:アイエルが、初めて主体性を持って1人の男性に恋をするといったお話です。
漫画の冒頭でアイエルが読んでいる本の中の恋愛詩、てっきり手塚先生の創作によるものだと思ってましたが、実はドイツの詩人マックス・ダウテンダイ(Max Dauthendey 1867~1918)の作品でした。
もちろん既存の翻訳そのままではなく、漫画用に言い回しを変えて使っているのでしょう。
自分が知ってるダウテンダイの翻訳詩は、角川「世界の詩集」シリーズ『世界恋愛名詩集』(1967年)に載っているバージョン(訳:阪本越郎)。
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