バイト先へ

水谷一志

第1話 バイト先へ

 主人公、【お兄ちゃんの男】

「いつもありがとね、お兄ちゃん。」

「おう!」

俺はその日も、いつものように妹のバイトするコンビニへ行く。

そのコンビニは俺の勤めるオフィスから近く、ちょうど何かを買うのに便利な場所だ。

だから俺はよくそのコンビニへ向かう―、本当にそれだけなのか?


俺は現在一人暮らし。妹や両親の住む実家から出て、働きながら青春ライフを満喫している。

そして最近俺はこう思う。

『そういえば、両親もそうだけど妹と会う回数もめっきり減ってしまったな。』と。

―本当にそれだけなのか?

昔、俺がまだ学生だった頃は俺は妹たちと一緒に住んでいた。まあそれは当たり前の話で、妹と一緒にいるのも本当に「当たり前」だった。

 しかし、俺は今は一人暮らし。妹とも離れて暮らしている。

そして最近俺はこう思う。

『俺の妹、かわいくなったな。』―それはどういうことだ?


俺は今まで妹と一緒にいるのが当たり前だった。しかし人間には離れてみて分かることもある。俺は今、そんな気持ちに支配されている。

 しかし、俺は妹にとって、「良いお兄ちゃん」でありたいとも思っている。

妹に頼られ、両親にも親孝行する理想の「お兄ちゃん」―。

 俺は、そんな存在になりたいし、立派な兄で居続けたい。

 ―ということは、俺の気持ちはよこしまなものなのか?

―こんな気持ち、封印した方がいいのか?

 しかしそこには、妹への気持ちを抑えきれない自分がいる。

―それはどうしようもないことなのか?

 でも俺は、良いお兄ちゃんでもありたいのだ。


あと、補足になるが俺たち兄妹は実は血はつながっていない。

両親が再婚し、俺たちはその連れ子だったためだ。

なら、何の問題もないような気もするのだが―。

 そんな想いを抱えながら俺はコンビニを後にする。

そして俺は―、【待ち合わせ場所】に向かう。

「あっ、お待たせ!待った?」

少し遅れてそこにやって来たのは―、

俺の【今付き合っている、彼女】だ。 (終)


次の主人公、【(兄が)今付き合っている、彼女】



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バイト先へ 水谷一志 @baker_km

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