木宮 栄一

俺の友達には複雑な人がいる。その人は女子と関わることが難しい人だ。井川徹、それが俺の友達だ。その彼に好意を持っている女子が、彼の幼馴染の渡辺美羽。彼らは元々仲が良かった。多分、両思いだっただろう。だが、彼が女子からいじめられ、それが原因で女子との関りを一切持たなくなった。もちろん彼女とも。でも、彼女の方は諦めていなそうで、今日の朝に彼の小説のヒロインになったと、聞かされた。彼女はよく俺に、相談してくる。俺には彼女とは別の好きな人がいる。その人は、妹の友達の姉の石田水姫。俺の同学年で同じ学校だ。クラスは違うがよく関わる人だ。俺はその人に、去年から好きになった。そして、その恋が初恋だ。だが、俺には話しかけたりする、勇気がない。だが、俺は今日こそ、彼女に話しかける事を決めていた。俺は渡辺みたいに思い切って話かてみよう。彼女の事だから、無視とかはしないだろう。そんなことを考えていると、妹の幼稚園に着いた。俺はいつもどうり幼稚園に入った。担当の先生に妹を呼ぶように伝えた。その時には彼女も一緒だった。俺は妹を待っているときに

「いつも、弟さんを迎えに来たりして大変ですね。俺も、妹を迎えに来ていて、その制服って、俺と同じ高校だよな」

などといろいろ話しかけた。彼女の反応は

「確かに、弟の迎は大変だけど、私は子供と関わることが、好きだから、そこまで、大変ではないよ。それと、あなたは隣のクラスの木宮君だよね。結構、噂が流れているよ。あ、まだ私の名前、言ってなかったなね」

彼女が俺の名前を知っていることが嬉しかった。

「石田水姫さんだよね。間違ってない?」

俺は彼女が自分の名前を言う前に俺が先に言った。彼女はキョトンとしていた。

「なんで知ってるの?」

「妹がよく石田君、石田君って毎日のように話していて、もしかしてって思って、少し調べてみたら、石田水姫さんという女子がいることがわかって、で君が石田さんと分かった。言ってる意味、解りましたか」

俺はそう尋ねた。ほとんどの奴が俺の言ってる事をわかってくれないから、毎回、こう尋ねている。

「なるほどね。でもその言い方だと、馬鹿な女は勘違いするわよ。さらに、あなたの事を何にも知らなかったら、ストーカーで訴えられるね」

すごいことを言ってくる。俺とまともに会話ができたのは4人目だ。でも、確かにあの言い方は、まずかったかもしれないと思い返した。でも、彼女と話すことが出来て、よかった。第一印象はあまりよくなかったかもしれないが。

「確かに、あの言い方はよくなかったかもしれないな。でも、石田さんは俺を知ってくれていたから、大丈夫だよ」

「そうね。でも、これからは気を付けなよ。特に木宮君の事を知らない人には」

俺はこれから気を付けると心の中で決めた。

「それから、今度から、一緒に学校からここに行かない?同じ学校なのに一緒に行かないというのも、なんか変だし」

俺はこれから彼女と一緒にここに来れるとい嬉しさに

「そうだね。これから一緒に行こう。集合場所は校門前でいい?」

俺は焦らず、冷静になることを意識しながら、即答した。彼女は

「うん。ST終了後、遅れるときは・・・あ、連絡交換しよう」

なんと今日はついてる日だ。話すことが出来、連絡まで交換した。俺のスマホに彼女の名前が書かれた。などといろんな事をしていると、俺の妹と彼女の弟が片付けを終え、俺たちの方に来た。俺は妹に

「ちゃんと、片付けしたか?みんなにバイバイしたか?」

俺はいつも妹に聞いてることを聞いた。

「うん、ちゃんとしたよ。えらいでしょ」

妹は可愛い笑顔をして、言っていた。

「そうか、えらいぞ。石田君、いつも美優紀と遊んでくれて、ありがとね」

と俺は彼女の弟にお礼を言った。運動がするのが好きそうな顔をしている彼女の弟は、にっこり笑って

「どういたしまして。姉ちゃん、なんでか、ありがとうって言われた」

幼稚園児にはさっきの言葉が難しいようだ。俺はもう少し誰でもわかるように努力をするように心がけた。そして彼女と別れる前に彼女が振り返って、

「これからは栄一君って呼ぶね。私も、水姫でいいよ。ちゃんとかあまり付けないでね。そういう事だから。バイバイ、栄一君」

俺は初めて口にする彼女の名前を、呼ぶのに緊張しながら、言った。

「バイバイ、水姫・・・さん」

緊張して、さんが付いてしまった。彼女は笑って

「緊張してる?明日は期待してるよ」

彼女が言った。

俺は彼女と別れる際に見た、彼女の笑顔が忘れられなかった。

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