第12話 呪い?に侵されていたようだ
しばらくスカベンシャー共を叩き潰していると今までと違った場所に出た。
今までは道幅と水路の幅は一定で変化することなく下水道は曲がったり交差したりしていた。
ところがここは道がロの字に曲がっており水路の途中に溜池のようなものが作られていたのだ。
「なんか今までと感じが違う場所に出たな。中間処理施設みたいな場所か?」
『違うんじゃないんですか。もしそうならスカベンジャーがウジャウジャいるハズですから。』
「ふ~ん、スカベンジャーを倒してどのくらい魔力量が貯まったか確認しておくか。」
ステータス
名前 未設定
種族 エロスライム
魔力量 900/100
ランク G
スキル
触手 ビジアンヌの寵愛 ヤス 魔力操作 魔力感知 スライムウィップ 多重魔力吸引
強打・・・魔力を集めることで攻撃力を上昇させる
「おお、かなり強くなったんじゃないか。」
ランクはGで最低ランクのままだが身体能力ようの魔力量が転生したときの十倍になっている。
『やっぱ旦那の多重魔力吸引は反則っすね。たった二日で進化一歩手前まで魔力量を増やすしてるっす。いくら最弱ランクとはいえ尋常じゃない早さっす。』
珍しくヤスが俺をディスってないけど、それを言うとまた変な話になりそうだ。
それよりも興味深い単語だ出てきたぞ。
「進化、俺って進化できるのか!」
『当たり前じゃないっすか。魔物界の常識っすよ。』
「いや、魔物界の常識って俺はつい先日スライムに転生したばっかりなのに常識なんてしらんわ。」
『はぁ、非常識であることを自信満々に言われても困るっす。』
ヤスのディスり節が炸裂中である。
慣れてきたと思ってたけどやはりムカっとくるな。そもそも俺は決して非常識ではない。
ただ転生したばかりだからイセカヘウムの常識を知らないだけだ。
ムカっと来ているが今俺が頼れるのはヤスだけだ。
「非常識なワタクシめに進化が出来るのか教えてください。」
『急に卑屈になってキモイっすよ。旦那。』
おのれぇ、ヤス人が下手になればここぞとばかりにディスしやがってぇ。
・・・いやこれがヤスの通常運転か。
「キモくてすいませんね。それで俺はどうやったら進化できんの。」
『もうちょっと言い方があると思うんっすけど、まぁ良いでやんす。』
もうちょっと俺に優しくしてくれても良いじゃないんですかねぇ。
『旦那の初期魔力量は10/10だったっすから、1000/100まで魔力量が増えれば進化出来るはずっす。』
ってことは後100で進化できるってことだな。
「進化できたらここから脱出する準備をしないとな。」
外へと続く場所は既に発見している。
出るだけなら問題ないが外壁の見張りに見つかったら逃げ切れないかもしれない。
何か手段を探さないといけない。
「取りあえず下水道を探索して役立つものがないか探してみるか。」
溜め池を囲む道を進み反対側へとやってきた。
どうやら段差があって上澄みの水が滝となって奥へと続いている。
う~ん、前世の浄水場にある施設に似ている。
大きな溜池に水をいれて不純物を沈殿させた後に上澄みのキレイな水を次の施設に流すんだったかな。
似てるけど、俺よりこの世界に詳しいヤスが言うのだから違うんだろうな。
俺の知識は所詮この世界ではなく前世の異世界の知識なんだからな。
「ここを降りなきゃダメだよな。」
『ダメってことはないっすけど、下水道で調べてないのはここと人族の男が来た方向だけっすよ。もしかして旦那って高所恐怖症なんっすかぁ!」
「なんでだよ!」
『え、だって段差が降りれないってことはそういうことっすよね』
段々ヤスのディスり率が上がってないか。それとも俺がディスるネタを提供している・・・な。
「別に段差を降りるのが怖いわけじゃないわ。水が飛び散っているのが嫌なだけだ。」
上澄みの水だけど元々汚物が浮いてた水なわけだろ。今更だけど心情的に嫌なんだよ。
『え、今更キレイ好きアピールっすか。全身汚物だらけの旦那がいまさらやっても白々しいだけっすよ。』
「そんなんじゃねぇよ。」
ヤスのディスりの切れが半端ね。もしかしてスキル≪ディスる≫とか持ってんじゃねぇかと思うくらいだ。
そんなしょうもないスキル持ってないよな?
『誰にアピールしたいのかサッパリ分かんないっすけど、こんなところでアピールしてもオイラしか聞いてないっすよ。それで進むんっすか、戻るんっすか。』
「進むに決まってるわ。」
段差は三メートルくらいあり上り下りするための梯子が設置されている。
人間なら簡単に梯子を使って降りられるのだが今はスライムだ、どうやって降りれば良いのだろうか。
飛び降りるにはちょっと段差が高い、スライムだから大丈夫な気がするが前世の人間だったころの感覚が邪魔をする。
人間みたいに足があれば梯子が使えるのになぁ・・・そうだ足があれば良いんだ。
俺にはあるじゃないか腕にも足にもなれる万能触手が!
早速地面と身体の間に触手を生やし足の変わりにして梯子を降りる。
『キモ、まるで地面の這う虫のようで潰したくなるっす。』
確かに無数に生やした触手の足はまるでムカデの足みたいだけどもっと言い方あるんじゃないの。
キャタピラタイプの移動方法で汚物まみれ扱いされるか、触手足で虫扱いされるかどっちがマシだろうか。
「潰したくなるって毒舌にもほどがあるぞ。」
『は!すいません、心の声が漏れてたっす。』
謝ってるけど、つまり言ってないだけで心の中では今まで以上に酷いこと言っているわけね。
スキルとして俺の中に存在しているから離れられないうえに声だけの存在だから対処しようがない。
ヤスはビジアンヌが俺のためにくれた力の一部のはずなのにホントに呪いみたいなスキルだ。
「はぁ、奥を調べるか。」
ヤスのディスりに心を痛めながらさらに下水道の探索を進める。
暫く進むのとんでもないものが見えて来た。
「こりゃ、ビックリ。」
スカベンジャーが折り重なり下水道の天井までビッシリ埋まっていたのだ。
魔力感知で感知できる範囲はスカベンジャーで埋まっている。
一体どれらけの数がいるのか分からない状態だ。さてどうしたものか。
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