第201話 接近⑤

お互いに満足して改めて湯船につかる。


「誰も来なかったなあ」


「来たほうがもっと刺激的だったのに、ざんね~ん」


「入れてる時だったらどうすんだよ」


「そうね~見せ付けちゃえばいいじゃん」


「いや、そういう問題じゃないと思うけど・・・」


(マイは、セックス感が明るいな)


刺激的な一夜を過ごす。


湯船につかったまま、マイは俺のモノを達つかんだまま気持ちよさそうにしている。


(変わった子だ)


俺は、このまま朝まで一緒にいたかった。

しかし、周りに何を言われるかわからない。

お互いに別の部屋に戻る事にする。


「じゃあね。眠くなってきたわ」


「俺も。じゃ、おやすみ」


部屋に戻って布団に入って寝る。


(うーん・・・さっきは眠いと言ったが眠れない)


寝返りを何回もする。


(余韻なのか?何なんだ?)


色々考えてしまい熟睡出来ずに朝を迎える。


身体は疲れているはずなのに・・・。


次の日、俺は、帰りも運転手。


(静かだ・・・)


二日酔いと寝不足でほとんどの人間がバスで熟睡している。

途中で観光で名所を寄っても数人だけで、後の者はバスから降りてこない。


(今日は、ミラーにマイの顔が見えない)


マイも眠っている様子。


(マイは何疲れ?)


俺は、一人でニヤニヤと笑っている。


朝食でマイが傍にいても会話できない。

みんながいるせいもあるが、何の話をしていいのかわからなかった。


(この後、二人はどうなるのだろう?)


付き合い始めたわけではない。

ただ深い関係を持っただけ・・・。


(俺たちの仲って微妙だろうな)


帰りの車の中でも、ずっとマイとの事ばかり考えている。


(これは、ますます惚れちゃったかな?)


新宿に着いてから、とりあえず帰宅。

男達はそのまま仕事に入る。


「あ~仕事やる気しねえ~」


「全く、右に同じ」


今日、仕事を来る女の子は、みんな二日酔いだ。

次々と店にやってくる。


(みんな真面目だなぁ)


「おはよ~気持ち悪い~酒がまだ抜けてないよお~」


「ほら、みんなシャキッとしなさい」


ママが叫ぶ。


「は~~い」


マイはその日は来なかった。


その日の俺は、いろんな事を考えながら仕事をしている。


これからの俺の人生。


マイとどうなるのか?


幸せな人生が待っているのか?


男相手に身体を売る女との我慢の毎日。


辛い苦しい人生を過ごすのか?


ハッと我に帰る。


「それよりも付き合えるかどうか・・・だな」


勝手に想像されているマイはいい迷惑かもしれない。



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