第188話 デリバリー運転手⑤

「スカトロってやつか?」


「う~ん・・・どうなんだろ?」


「何かされた?」


「されたんじゃなくて、大きいほうしている所を見たいって言うの」


「マジかあ」


「わたし、おしっこしている姿も見られた事ないのに無理って・・・」


「へ~俺はあるかな・・・かけっこしたこともあるぜ」


(俺、何話してるんだろ)


「え~気持ち悪、遼ちゃん変態?」


「いや、そういう素質はないと思うけど・・・」


(言わなきゃよかった)


「あまりにもしつこくてね。お金割り増しするからって」


「いくら?」


「10万とか言っていたかな?」


「マジ?見せて10万ならやればいいじゃん」


「お金の問題じゃないの」



(よほど嫌なんだな・・・って普通か?)


「そのうち土下座までしてきて」


「すごいな~」


「だから身元わからないラブホテルの客って嫌なのよねえ」


「なるほど、それで?」


「見るのは諦めたみたいで、今度はせめてウンチだけ見せてって・・・」


「あはは、そうきたか」


(この流れで、何故逃げ出してきたんだろ?)


「強引に半分の5万渡して来たの」


「ほお~プラス5万だよね?」


「そ・・・最初に料金もらうようにしているから、さらに5万」


「いい仕事だなあ」


「他人事だと思って~こっちは大変なんだから」


女は腕組をして、さらに足も組む。


「ごめん」


「まあいいけどね」


「じゃあ見せたんだ」


「まあトイレでした後、水を流し忘れたと思えばいいかなって」


「なるほど」


(それだけで五万は、おいしいな)


「それからが、びっくり」


「どうした?」


(何かあったんだ)


俺は、思わずシートを座り直す。


「トイレに入って中々出てこないの」


「うん」


「人のウンチ眺めて馬鹿な男!って思って待っていたの」


「あははは」


「まだセックスしてないし、時間は過ぎるし、早くしろよって思ってたの」


「何やってんだろうね?」


「こっちは、ベッドに裸で待っているって言うのにさ」


「うん」


「やっと出てきてさ」


「うん」


「男に向かって、遅い!って言った瞬間、息とまって気絶しそうになったわよ」


(何?何?なんだ?)


「それはね・・・聞きたい?」


「うん・・・」


(聞きたくないような、聞きたいような・・・)


「遼ちゃんご飯食べた?」


運転している俺の顔を覗き込んで聞いてくる。


「いや・・・まだ」


「じゃあ聞かないほうがいいかも」


「・・・」


俺は思わず唾を飲む。

頭の中に想像が浮かんでくる。


「聞くのやめとこうかな」


「じゃあ、や~めたっと」


「いや・・・やっぱり教えてよ」


「ご飯、まだなのに聞くの?」


「うん・・・まあ」


「じゃあご飯が食べられるように簡単に言うね」


「うん」


「ウンチマン」


「うんちまん?」


「そう、あとは想像してね」


「それじゃわかんねえよ」


「じゃあ、全身ウンチマン~あはは」


そういって笑い出す。


「全身?」


「見に行きたい?」


「俺が?」


「そう」


「いや遠慮しとく」


(何を言い出すんだ、この子は)


「ほんとは、遼ちゃんもみんなと行くはずだったけどねえ」


「うん?どういう事?」




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