お水の砂利道 ホスト編
夜の銀
第1話 夜の世界へ導いた女
高校卒業後、専門学校に通う為に上京する。
仕送りだけでは、遊ぶ金がない。
「バイトしょっかな~」
初めてのバイトは新宿東口の喫茶店でウェイター。
今までのバイトとは勝手が違うので、緊張する。
その店で一人の若い女と出会う。
名前は美紀。
彼女は沖縄から上京してきて歳は16歳。
高校を中退して一人で上京し、ウエイトレスをしながら店を転々としている。
美紀は、はっきりとした目鼻立ちで、外人のようなエキゾチックな顔をしている。
スタイルも小さく華奢な体なのに豊満な胸。
俺にはない、全く違う系統の顔立ちをしている。
吸い寄せられるようにすぐに惹かれる。
健気に、がむしゃらに働く姿を見て、この子の為に少しでも力になってあげたいと思うようになってくる。
話を聞くと、親に仕送り自分も学校に行く為に、夜もスナックで働いている。
(なんていい子なんだ)
早朝、バイトが終わって美紀が声を掛けてくる。
「ねえ、飲みに行かない?」
「え!?う、うん、いいよ」
一瞬、驚きながらも即答。
(なんだろ?・・・心臓がドキドキするぞ)
俺の顔は、きっと、にやけただらしがない顔だったと思う。
その日から頻繁に二人で一緒に飲みに行くようになる。
一緒に働いた日の後は、必ず一緒に飲みに行く。
俺は、酒が強いほうではなかったので、いつも先につぶれてしまう。
美紀は飲みすぎると愚痴をこぼす女。
意味もなく泣く。
(これって・・・泣き上戸ってやつ?)
ある日、珍しく酔いつぶれてしまう彼女をアパートまで連れて帰る。
二人で薄暗い空の中、ふらふらと歩いて家に着く。
そのまま、男女の関係に・・・。
目が覚めて、俺も酔っていたせいか、はっきりとは思い出せない。
(美紀は処女じゃなかったよな・・・)
昼も過ぎた頃、美紀が起きる。
「あれ?私は、なんで裸なの?」
俺は、その声で目が覚める。
カーテンから外の光が差し込んで、うっすら美紀の驚いている顔が見える。
「覚えてないの?」
「うん」
「マジか~」
(あれだけ酔っていたら仕方ないか?)
俺は今まで記憶がなくなる程、飲んだ事はない。
昨日の出来事もしっかり覚えている。
「ま、いっか!」
そう言って美紀は笑う。
(軽いやつだなぁ)
それから二人は、彼氏、彼女の仲。
付き合う事になる。
しばらくすると美紀が言った。
「一緒に住んだほうが何かと便利じゃない?」
「え?マジで?・・うーん、そうしょっか!」
あれよあれと言う間に同棲生活が始まる。
俺にとっては初めて同棲生活、毎日が楽しい。
若い二人だけあって、毎日のようにお互いの身体を求めあう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます