君と僕の3年目の恋

niya

プロローグ 「あれから」

俺の名前は、二ノ瀬 彰人にのせ あきひと

みんなからは、ニノって呼ばれている。高校3年生だ。

俺には、大変可愛い彼女がいるのだ。

その名も、木野 穂花きの ほのか

同じ、高校3年生で勉強がとにかくできるすごい子だ。

みんなからは、キノと呼ばれている。

普段から眼鏡をかけており、おとなしいのだがそこも可愛いんだよなー。

そんなキノと一緒に学校帰りに喫茶店に寄り、話をしていた。

次の休日どこに行こうかや、クラスの面白い話などだ。

「そういえば、ニノ君って中学の時ってモテてたのです?」

急にキノが話を切りだしてきた。

「なんだ?クラマから聞いたのか?」

クラマこと、鞍馬 草司くらま そうじは、俺の幼馴染で親友と呼べるぐらい仲が良いやつだ。サッカー部のキャプテンを務めていて、頼れるやつだ。

「そうなのです、あいつは色んな人から良く好意を寄せられるからなーって言ってたのです」

「あぁ、中学はね。なんか狂信的といったらいいのか知らないけどそういった人はいたなー」

「やはり、ニノ君はモテるんですね。」

「そんなことないよー、モテ期とか一度は体験してみたいよなー。ハーレムみたいなやつ?」

「もう!ニノ君のあんぽんたんなのですよ!」

キノはほっぺた膨らませ、怒っているようだ。

しかし、あんぽんたんって今どき聞かないよ

「ごめんって、今はキノというメガネの美少女がいるからなんもいらないって」

そういいながら、頭をなでるとキノはすこし顔を赤らめた。

「そうだ、私に惚れられたらいいのではないですか!」

キノは、閃いた様子で俺をみた。

「いや、キノが好きだから付き合ってるわけで・・・」

「ニノ君は全然分かってないです。」

キノは席を勢いよく立ち上がり、俺を指さした。

まさに、異議でもあるかのようだ。

「恋は3年でおわるのですよ!」

「ソウナンデスネ」

「もう、ニノ君はわかってないのですよ。恋は3年で終ります。つまり、3年後にもう一度私に惚れられたら次の恋が始まるのですよ。」

「それは、分かった。それとモテ期との関係は?」

「私が惚れている時点で、モテ期じゃなのですか?」

キノは勝ち誇ったかのように、腕まで組んでいる。

それは、モテ期なのだろうか?

しかし、反論すると怒られそうなのでなにもいうまい

「わかった、わかった。とりあえず座ろうぜ。」

「むー、ニノ君はまだ納得いってないみたいですね?」

キノはさきほどから一転して、怒った表情で席に座った。

なんとか、キノに機嫌を直してもらい

その後は、たわいもない話をして、カフェを後にした。

いつものように、キノを駅まで送る為大通りを歩いていた。

「明日って、どこ行くんだ?」

「うーん、そうですね。付き合って、3年目の記念日ですもんね。

中々難しいのですよー」

キノは腕組しながら、考えてる。

てか、今どきそんな人いないだろ!

「まぁ、無理はしないでな。なんなら、俺も考えるから。」

「それだと、駄目なんですよ!」

キノは、俺の前に立ちふさがった。

まぁ、身長がちっこいから、前方の視界は良好だがな。

「あー、今絶対身長の話したのですよ!駄目なのです、私は高身長なのです。誤解しないでほしいのです!」

「誰に、言ってるの。キノさん?」

そして、あなたは俺の肩ぐらいしか身長ないですよ。

「誰でもいいのですよ!!それより、今年は私が考える番なのですから、1人で頑張るのです。」

キノが言っている通り、1年ごとの記念日は相手のことを思って、キノと俺が交互にプランを練ることにしている。

「わかったよ。でも、無理はするなよ。」

「わかっているのですよ。もう、ニノ君は心配症なんですから。」

「そりゃ、心配するさ。大切な人だからな。」

キノの顔は赤くなっている。こういう、照れている顔は可愛いんだよな。

信号待ちの間、彼女はよっぽど恥ずかしいかったのか、こっちを見てくれなかった。

はっと、目をあけると真っ白な見知らぬ天井があった。

さっきまで、一緒に帰ってたキノが隣にいない。

起き上がると、後頭部に激痛が走る。

意識が朦朧としている、かすかに聞こえた声を最後に目の前が真っ暗になった。

「先生、彰人君の意識が・・・・」

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