3人娘は色どりみどり1

東京   000 000 200 000 2


北関東 000 000 020 000 2


勝ちー 負けー 北関東0勝1分2敗


本塁打ー


東京は7回平柳の2点タイムリーツーベースで先制点をあげる。対する北関東は阿久津が1アウト1、2塁のチャンスにツーベースを放ち同点に追い付く。延長までもつれた試合は両チームの投手陣が踏ん張り、規定により12回引き分けとなった。北関東は再三の勝ち越し機を生かせず、連敗ストップとはならなかった。








「おーい、お疲れー! こっち、こっち!」


試合が終わり、簡単なミーティングも終了し、スタジアムの外に出た。すると、ギャル美からスマホにメッセージが届いており、確認するとまだスタジアム近くにいるようだ。


スタジアム外のコンビニの駐車場に彼女の姿があった。


側には、なんだか俺が来てそわそわするみのりんと巨乳ポニテちゃんの姿もあった。








「どうしたの、3人とも。こんな時間まで」


俺が何気なしにそう言うと、ギャル美はキッとした鋭い視線を俺に向けた。


「どうしたの? じゃないわよ!あんたのことも乗せてってあげようと思って待ってたんじゃない!」


そう言ったギャル美の側には、赤いスポーツカーのようなスマートでカッコいい車。


右ハンドルだけど、おいくらするのでしょうか。


ギャル美ってイラストレーターらしいけど、そんなに稼いでるの?


「あんた、明日は仙台で試合でしょ? 早く帰ってみのりの作ったご飯みんなで食べるわよ」


「えっ!? うん………。山吹さん、こんな時間から晩御飯作れるの?」


帰ったらもう夜11時になってしまうような時間なので、俺は心配したが、みのりんは小さくVサインをした。


「スタジアムに来る前に下ごしらえしてきたから、10分あればすぐ食べれる」



マジで! なかなかの高スペックな嫁じゃないか。




「ね、ねえ。それにしても。あんた、いいバントしたわよね」


「ぐうぐう」


「ちょっと! 寝ちゃったの! チョー、ウケるんだけど!」


ギャル美ちゃんが車を運転しながら、バックミラーで俺の様子を伺う。


そして、むずかゆそうに今日の試合の話をしてきたので、ギャル美の真後ろの座席でぐうぐうと寝たフリをしてやった。


横でみのりんが寝たフリをした俺をみながらクスクスと笑う。


「マイちゃん。新井くんは寝てないよ」


「ちょっと! ふざけてるなら、車から降りなさい! チョー、ウケる」


ギャル美ちゃんの口調は怒っているようなものだったが、バックミラーに映るギャル美ちゃんは俺よりも楽しそうにニヤついていたのだ。


「あの、新井さん」


助手席に座るおっぱいちゃんが口を開く。


「どうしたの? 山名さん」


「私、好きになっちゃいました」


「まいったなあ」


「あの。もちろん、新井さんのことじゃなくて、野球がです」


分かっとるわ。

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