ランチリング
アリエッティ
第1話 これっくらいの
弁当箱...。
バラエティに富み、彩り豊かな景色の広がるお愉しみの空間。
二段の階層には御飯そしておかずと分けられ全く違った表現が求められる。
特におかずの階層は、毎回壮絶な陣地の取り合いが繰り広げられていた。
「KO!
勝者、玉子焼き!」
「くそぉ..」「悪いな。」
色彩部門は玉子焼きの勝ちか、やはり強いな。
「根強い人気と甘い旨味、見事圧勝でしたね。」
「当然だMCバラン、玉子焼きよ?」
スターフード玉子焼き、カテゴリが別で良かったぜ。
「調子はどうだカラアゲ?」
「ちくわチーズ、まぁボチボチだ。」
コイツもまた手練れ、決してメインでは無いがコアな支持がある。ベーコンアスパラとの死闘の末スペースを無事確保した。
「さぁ続いてはメインディッシュ!」
「お、出番じゃないか?」
「みたいだな、行ってくるよ。」
米にあてがわれるモノの大戦、皮肉にも俺はその代表の一つ。選出数が最も多く試合数も量が嵩んでくる。
「あまり負担を掛けずに行きたいが」
「早速一試合目メイン中心エリア
カラアゲVSタコさんウィンナー!」
敵はウインナーか..それもタコさん。
弁当と言えばコレと知名度では玉子焼きと張るほどの相手。
「なかなかの奴と当たったな..」
だがしかし俺もカラアゲの端くれ、強者と言えなくもない。
「試合開始!」「ふんっ..!」
容赦の無い形でいかせて貰う。
「おおっと、カラアゲの周囲に粉塵が立ち込める!」
悪いな、今回の俺は生姜ベースにニンニク仕様だ。
「なんだコレ..?」
掛かったな、触れたが最後..ドカンだ
「おおっとカラアゲ謎の粉塵を纏い触れたウィンナーを弾けさせた!」
鶏肉だと思って油断したか?
「一日漬け込んである。
お前とは年季が違うんだよ」
「ふぅ..古参がはしゃぎますねぇ。」
「なんだと?」
「カラアゲなんてありきたり、どこで
もいられる安全圏でしょ。」
「だったらなんだ」
「限定が無いって事ですよー、何処にでも入れる。何も弁当じゃなくていいその点僕はタコさんウインナ、遊び心がベントにピッタンコ♪」
「.....」
「お前には無い特異性があんのよ!」
確かにな、子供は少し切り込みを入れただけで大はしゃぎだ。
「だが味はどうだ?
見かけだけのハリボテじゃないのか」
「味まで気にかける奴がどこにいるよ
形さえよけりゃあな、美味いって言うんだそういうもんだろ!?」
「下品だな。」
「何とでも言え、知ってるか?
配置にも色々バリエーションがあるのよ、こういう風にな!」
「…!」
ウィンナーを繋げてた串か?
あんなもの振り回すとは、とんだタコ野郎だなあいつは。
「お前も刺されよ!」
「そんなスペース取ってられるか!」
一発の打撃は俺の方が強い力で押せば
「いける!」
「おっとカラアゲの右ナックルがタコさんの土手っ腹に直撃、悶絶か〜!」
「ぐっ..」「どうだ」
「やはり一人では部が悪いですね。」
「どういう意味だ?」
「そのままの意味ですよ!」
さっきから気配は感じてた、やっぱそういう事か。
「おやおや?
同じ顔が二、三、タコさん増員だ!」
「卑怯とは言わせませんよ?
お弁当は楽しくしないと!」
勝手にはしゃいで勝手に持ってた串に身体を刺した、何がしたいんだ。
「これで三位一体!」
「かえって動きにくくねぇか?」
「言っていなさい!」 「ちっ!」
馬鹿にしてはみたものの普通にキツい単純に三倍増しだからな、そりゃもうやられた一方的に。
「痛ってぇなぁ..」「どうです?」
「しこたま殴ってやった」「ヒヒ!」
「三位一体のウィンナーに文字通りのタコ殴り!
カラアゲ動けない、このままKOか!」
煽るなMC、戦意失うだろうが。
「降参したらいかがです?」
「もっと殴られろ」「ヒヒヒッ!」
「馬鹿だなお前ら、肉殴ったらどうなるか知らないのか?」
「どうなると言うのです?」
「直ぐにわかるさ。」
一日漬けてあるんだぞ?
そんなもん身体に塗ってみろ、俺でも随分痛かった。
「ぐっ..う、あぁっ‼︎」
「どうしたタコさん?
突然苦しみ出したぞ、悶絶か〜!」
煩いなアイツ
寒いからやめろその進行。
「何をした、一体何をしたぁ!?」
「知ってるか?
にんにくってのはな、全ての菌を殺すらしいぞ。」
「毒を持ったのか?」
「毒はお前だろ、だから痛いんだ。」
「痛い..殴られてる..!」「ヒヒィ!」
「クソッタレがぁっ...!」
「食い物が云うなそんな事、お前には箱に入る資格は無ぇな。」
「だあっ!!」
跡形も無く消えろ。
「爆ッ散!姿留めず塵と化す!
メインスペースを制したのは、鶏肉の王様カラアゲッ!」
悪いな、味の方が勝ったみてぇだ。
「前試合終了!
今回選出されたおかず達は〜...」
「勝ったなカラアゲ」 「ああ。」
「バンッ!
優しい美味しさ、チーズちくわ!」
「有難うな。」
「バランスリコピン、プチトマト!」
「ヤッピー、ないす〜‼︎」
「甘いくちどけ、玉子焼き。」
「箱よ、煌めけ!」
「海から巡る大人の焦げめ、鰆!」
「腹を満たしましょう。」
「そしてメインディッシュ、米の上で踊る溢れるエネルギーカラアゲ!」
「ふん。」
たらふく食せ、思いのままに...。
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