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 進級したばかりということもあり、ほとんどの授業が自己紹介から始まった。僕は無難に名前と部活動には所属していないことを告げ、それ以外は文庫本を読んで過ごした。クラスメイトの自己紹介を聞いたところで、その人の名前も趣味も、僕には関係ない。自己紹介の時間が終わってからは、もちろんきちんと授業を受けた。勉強もそこまで嫌いじゃない。推理小説と同じだ。何も考えなくて済む。


 休み時間(授業の合間の十分ほど)や昼休みは嫌いだ。皆ざわざわしている。勉強熱心なクラスメイトばかりだったら、そそくさと昼食を済ませて残りの時間を勉強に充ててくれくれたんだろうけど。


「加口くん、だよね?」

 頬杖をついて教室全体を見渡していた僕の前で、ポニーテールが揺れた。多分、クラスメイトだと思う。

「そうだけど……何か用事でも?」

 彼女の瞳を見つめてみた。純粋、無垢、好奇心……。彼女の瞳は、とにかくそういったものばかりが詰め込まれていた。そして彼女は、思いもよらない台詞を口にした。


「お昼ごはん、一緒に食べない?」

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