ドラゴンさんの子育て日記65
新聖暦896年 茄月の一日
ライラとイラフと共に向かう馬車の旅は楽しい。我、ライラがやっぱり大好きだ。
新聖暦896年 茄月の八日
あっと言う間に王都に辿り着いてしまった。家族たちやライラたちと共にこうして移動するのは楽しくてあっと言う間についてしまう。それにしても王都は人が多い。
竜の祝祭の影響であるそうだ。祭りというのは皆が好きなものなのである。今回も竜がかなり入り込んでいるようだ。竜の祝祭という竜の名を冠する祭りというのに興味津々なようで、去年やってきていなかった竜たちも多くいるようだ。我らはとりあえずライラの家に向かった。小さなドーランはとても愛いものだ。
新聖暦896年 茄月の十日
きんきらきんに竜が入り込んでいることを告げたら少し遠い目をしていた。何をそんな目をしているのか。
新聖暦896年 茄月の十三日
ライラたちとのんびり過ごす。我が子たちがイラフやドーランたちに優しくしていてなんて愛いのかと思う。弟とか妹を作ってやれたら――と思うが、交尾をしていてもそうそう子は出来ない。
子供というのは本当に愛いものだ。我はずっとパシャパシャしていた。
あときんきらきんには、音の出ないパシャパシャは危ないらしいと聞いたから作らなくてもいいと言った。でもきんきらきんは国家のためにも使えるだろうし作ると言っていた。パシャパシャがどうやって国家のために使えるか分からないがまぁ良い。
新聖暦896年 茄月の二十日
王都版の竜の祝祭が今年も行われた。挨拶で2号の兄と妹も挨拶していた。相変わらずきんきらしている。国の長の一族はきんきらしなければいけないとかあるのだろうか。
今年もお店が沢山出ていた。
新聖暦896年 茄月の二十一日
竜の一人が商人として紛れ込んでいた。ラオ曰く、人間の世界に紛れ込んで普通に生活しているものの一人らしい。周りは竜だと気づいていないのだとか。自分の鱗とか少し売っていた。まぁ、鱗も普通に生活していれば剥がれたりするからな。
新聖暦896年 茄月の二十二日
今日はライラも一緒に竜の祝祭を見て回った。劇を見たり買い物をしたりと本当に楽しかった。
新聖暦896年 茄月の二十六日
竜の祝祭がもう終わってしまった。はやすぎる。楽しいことはすぐに終わって、本当にびっくりする。
竜の祝祭が王都で行われるのは二回目だったが、去年よりも規模が大きくなっていて楽しかった。
新聖暦896年 茄月の二十九日
ライラと共に竜の祝祭の感想を言い合った。ライラとこうして話しているだけでも本当に楽しい。
新聖暦896年 須月の一日
王都から巣へと戻ることにする。ルアノも来年には空を飛ぶのに慣れてくれたらいいなと思う。馬車の旅もいいが、びゅっと飛んで到着する方がはやい。
新聖暦896年 須月の五日
ルグネ、ラビノア、シノウールが竜の祝祭の話を沢山している。笑顔を浮かべている子たちは愛いものだ。
新聖暦896年 須月の七日
外の景色を見ながら馬車に揺られている。ライラに国で行われる祭りの本をもらったので、竜の祝祭以外にも見て回ろうと思っているのだ。
楽しみがどんどん増えていく。
新聖暦896年 須月の十二日
村へと戻った。村が騒がしかった。我らが王都に行っている間に盗賊に襲われたらしい。ただ母君と父君が助けてくれたんだとか。
我の大事な村を襲うとは何事か! 魔物は寄ってこないように出来ているが、盗賊などに関してはまだ対策が足りないということなのだろう。我らが村にいない隙を狙ったらしい。なんということだ。
もっと警備をちゃんとしたほうがいいと思った。
新聖暦896年 須月の十五日
村の方ではもっと常駐させる騎士を多く雇ったりする話になっているらしい。国に盗賊に襲われたことを報告したというのもあって、国から騎士もくるらしい。うむ、それが良い。
新聖暦896年 須月の十九日
ラオとミカガネと子たちの今後に対する会議をする。子たちは学園都市を気に入っている様子だし、このまま学園に通う可能性が高いだろう。そういう話をしている。寂しいけど、子たちが大きく成長していくのは嬉しい。
新聖暦896年 須月の二十二日
竜の道場の連中は剣の演武はまた来年もするらしい。それで練習を必死らしい。我らが顔を出すと神がやってきたみたいに言うのは何とも言えない気持ちになる。
新聖暦896年 須月の二十四日
今日はラオと一緒にのんびり二人で過ごす。こうして二人の時間を作れるのは良い。話している内容は家族のことばかりだ。
新聖暦896年 須月の二十七日
ライラから手紙が届いた。
ライラから手紙がくるだけで我は嬉しい。ライラが幸せそうだと我は嬉しい。
新聖暦896年 須月の三十日
今月ももう終わってしまう。なんてはやいのだろうかと思ってならない。今月も充実していて、我は満足である。
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