ドラゴンさんの子育て日記66
新聖暦896年 摩月の一日
今日はルアノと一緒に空を飛ぶ練習だ。竜の姿になった我の上にのってもらって、魔法で抵抗とかを減らしながらゆっくりと上昇した。以前より慣れてくれた気がする。
今度は、我がびゅって飛んで移動でいけるかもしれない。良い事だ。
新聖暦896年 摩月の三日
ラオと一緒に我が子達をパシャパシャする。パシャパシャするのが楽しい。ラオは我のことをよくパシャパシャしていたが。
「撮りすぎ」と突っ込まれたが、それでも愛い者達は撮りたいのは当然である。なんと愛いのか。愛いものは幾らでもパシャパシャしたい。
新聖暦896年 摩月の六日
祭りに関する本を読みながら、面白そうなのを見つけた。昔に存在した英雄を祭っているらしい。こういうの楽しそう。
次期は茄月か。竜の祝祭と被るからどちらかしかいけないが……。こっちの祭りも行きたい。我が子達が学園に行くなら、あと数年しか共に過ごす時間がない。学園とはずっと勉強する場所らしいし。
もちろん、時々会う事は出来るだろうけど、巣立ちしていない今のようにずっと一緒にはいれないのだ。
新聖暦896年 摩月の八日
ミカガネに英雄を祭った祭りに行きたいと言ってみる。ミカガネは、竜の祝祭とどちらに行くか考えないとと言っていた。分かれてそれぞれ祭りに行くことも考えたが、出来れば皆で一緒に行きたい。
まぁ、来年なのでそれまでに考えるとしよう。
新聖暦896年 摩月の九日
ルグネ、ラビノア、シノウール、ルアノが遊んでいる。
子供達は元気よく遊ぶのが良いことである。
というか、本当に愛いものだ。
新聖暦896年 摩月の十一日
村の方では自衛のための騎士達が多く集まっているらしい。竜の祝祭がおこなわれる村として有名になったからというのもあるそうだ。
竜の道場に入る連中も多いらしい。竜の道場の連中は村の警備に役立っているようだ。とてもいいことだ。
このまま頑張るのだぞと声をかけたらなぜか泣かれた。何故泣くか聞いたら感動したとか言っていた。よく分からない連中だ。
新聖暦896年 摩月の十三日
母君と父君が遊びに来ていた。
ついでに、他の竜もいた。誰だか分からない。母君の友人らしい。我が覚えてないことにショックを受けてた。
我が子達を可愛がってくれた。我が子の愛い様を理解するとはいいやつだと思った。
新聖暦896年 摩月の十五日
母君たちはまだいる。母君に子の巣立ちはどうだったかと聞いてみる。
我の巣立ちに関しても少しの寂しさを持っていたらしい。うーむ、我は我が子たちほど愛い者ではなかったと思うがそれでもそういう気持ちは少なからず抱くらしい。これが親心と言うやつなのか。
新聖暦896年 摩月の十七日
母君たちが戻っていった。母君の友人は村が気に入ったから住もうかなとかいってた。人間の村に住もうと考えるのかと驚いたが、その母君の友人は結構人の世にまぎれて遊んでいるような竜らしい。
新聖暦896年 摩月の十九日
母君の友人は普通に村に住んだ。
「竜だと分かった状態で住めるのが良い」と喜んでいた。他の所だと竜だと言う事を隠して住むらしい。
新聖暦896年 摩月の二十一日
ラオとの交換日記は相変わらず続いている。ラビノアやシノウールには「交換日記とかそんなに続くものなの?」とか聞かれたが、ラオの事は好きだし、書く事は沢山あるのだ。我とラオは仲良しなのだ。
新聖暦896年 摩月の二十四日
ルグネが少し風邪気味なので村の医者に連れてった。ちょっとした風邪らしい。体を温めて、安静にすれば治るということでほっとした。
気をつけていても風邪に人はかかるもので、ハラハラする。はやく元気になってほしい。
新聖暦896年 摩月の二十五日
ルグネが完全に全快した。良かった。ルグネが元気そうにしているだけで我は嬉しい。こうして元気になってくれてありがとうの意味も込めて思いっきりぎゅってした。本当にこんなに元気に育ってくれてありがとうってそんな気持ちでいっぱいだ。
新聖暦896年 摩月の二十六日
ラオと寝床で子達の将来について話す。子達は仲よく皆で眠っている。寝顔が愛い。
ラオと子達の未来について話すのは寂しいけど楽しい。どんな成体になっていくのだろうか。我の自慢の子供達。すくすくと成体に育ってほしい。
新聖暦896年 摩月の二十七日
剣の練習をする我が子達とラオを見る。我も真似して振るってみるが、難しい。やはりばーんって魔法とかで倒す方が楽そうだ。
それにしてもこのまま成長すると、ラビノアとシノウールは竜としての力も、人型としての戦い方も備えた竜になるのだな。我より強くなりそうだ。何だか楽しみだ。
ルグネも魔法をつかえるようになってから、普通にラビノアやシノウールとやりあえていたりする。ラビノアやシノウールも徐々に手加減をなくしている。それで渡り敢えてきているルグネは凄い。
本当に、我の自慢の息子なのだ。
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