ドラゴンさんの子育て日記61
新聖暦896年 新月の一日
年が明けた。
ルグネも八歳になった。大きくなったものだ。拾った時はあんなに小さかったのにと、ルグネの成長を思うと思わず涙ぐみそうになる。我はルグネがこんなに立派に成長していって嬉しくて仕方がないのだ。
もちろん、ラビノアとシノウールも立派に育っていて、成長を感じるたびに我は何とも言えない感動を抱いている。ラビノアに「母さん、それぐらいで涙ぐんでどうすんの」と突っ込まれた。
去年は学園都市に向かわなかったから、今年は学園都市に行くのだ! 我が子たちが行くかもしれない場所だからの。
それにしても今年も村の外から来ている連中がいる。害はないからいい。母君と父君も楽しそうなので、よしとしよう。
今年も楽しかった。来年もこうして過ごせれば我は嬉しい。
新聖暦896年 新月の四日
ルグネもラビノアもシノウールも、年を一つ重ねても愛い。きっと大人になっても愛いだろう。我の子たちはとても愛いのだ。きっと世界一だ。
新聖暦896年 新月の十日
ライラに年明けのおめでとうという手紙を送る。ライラに手紙を書く便箋は、村から取り寄せている。ルグネを拾ってから文字を書くのも以前より沢山するようになった。そういえば、母君と父君はまだいたのだが、ようやく戻っていった。またすぐ来ると言っていた。
新聖暦896年 新月の十三日
魔法を使えるようになって、ルグネはラビノアやシノウールと対等に遊ぶようになった。魔法を使えるからといって、子竜たちと対等に遊べるのは異常らしい。
我のルグネは凄いのだな。
新聖暦896年 新月の十五日
遊んでいたルグネが大怪我を負った。我は慌ててしまった。慌てた我にラオは治癒の魔法を使うようにと冷静にいってくれて、治す事が出来た。ああ、心臓に悪い。
魔法を使っているから大丈夫と安心して遊んでいたら、気を抜いてしまったらしい。母を心配させるでない。怪我の治ったルグネをぎゅっとして、しばらく離せなかった。
新聖暦896年 新月の十八日
この前の怪我の件で心配して仕方がないので、ずっとルグネを傍に置いていたのだが、ルグネに「母さん、もう大丈夫だよ」と言われて、遊びを再開させることにした。ハラハラして、見守ってしまったけれど。だって、人はすぐ死ぬはずだ。我はルグネが死ぬと悲しい。
新聖暦896年 新月の二十一日
ラオはルグネが死ぬことがないようにより一層鍛えないとと言って、剣の練習を一心にさせている。我もルグネが死なないように色々としなければっ。
ルグネはいずれ、巣だっていくだろう。その時にどんなことがあったとしても生きていけるように。ラビノアとシノウールにも同様に教えているが、ルグネの方が体が弱いのだからもっと教えないと。
新聖暦896年 新月の三十日
もう今年が始まってひと月が終わった。
今月もルグネ、ラビノア、シノウールは元気に育っていた。良いことだ。
新聖暦896年 文月の一日
ラオとミカガネと話し合いをして、来月に学園都市に向かおうという話になった。ルアノは学園都市に行ったことがないのだから、きっと楽しいぞ? とルアノに言った。
学園都市は結構楽しい場所だ。
新聖暦896年 文月の三日
学園都市に行くなら2号の兄も行きたいらしい。2号の兄の方は、今年十一歳らしく、来年学園都市に入学するのだという。なので、もう一度行きたいのだとか。2号の妹の方もまだ入学は先だから行きたいと言っていたそうだ。ライラが手紙で言っていた。
ルアノがまだ空を飛んでの移動に耐えられるか分からないので、馬車で移動で学園都市に向かうのでいいと思うので、良いぞと返事をした。来月行く予定だとも書いたので、それまでにこちらの村に来るようにと手紙を書いた。
ルアノは来年ぐらいには空での移動に耐えられるのではないかと思う。少しずつ慣れさせているが、まだ難しいようなのだ。
新聖暦896年 文月の十日
村に下りたら、ルアノの像も追加されてた。中々壮観である。村は徐々に姿を変えていっていて、その変化を知ると楽しい。大きくなっていこうとも、村の連中は我らにとって良き隣人なので問題はないが。
新聖暦896年 文月の十四日
この前の手紙の返事と一緒に、本をライラが送ってくれたので色々と読む。本を読むのは楽しい。学園都市に行ったら、時間があれば劇も見たいなと思ったりする。
あと我らが劇を好きなのを知ったからか、村に劇場を作れないかとか考えてくれているらしい。出来たら嬉しい。
新聖暦896年 文月の二十日
我が子達が愛いので、見ていてニマニマしてしまう。だって愛い。あまりにも我が子達が愛い愛いと言っていたらラオがすねたので、ラオに構う事にする。ラオは愛い奴だ。
新聖暦896年 文月の二十九日
今月ももう終わりという時になって、2号の兄と妹が騎士たちと一緒に村に到着した。2号の兄と妹は相変わらずきんきらしている。
ルグネやラビノア、シノウールは2号の兄や妹たちがやってきて嬉しそうにしていた。
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