ドラゴンさんの子育て日記58

新聖暦895年 須月の一日


 竜の祝祭はとても楽しかった。我、満足。

 はじめての竜の祝祭だったルアノも楽しめたようだ。

 王都から帰宅中である。


 新聖暦895年 須月の四日


 馬車での移動は、景色がよく見えて良いものだ。

 馬車の中で子達と竜の祝祭に関する話をする。


 新聖暦895年 須月の十日


 村人達も王都での竜の祝祭がとても楽しかったらしい。こうして王都とかかわりが出来たのは我らのおかげだと移動の休憩中に感謝された。別に感謝などいらぬのだが。でも感謝されると気分が良い。


 新聖暦895年 須月の十五日


 我が巣に帰宅した。やはり自分の巣は落ち着く。

 ルアノも長旅で疲れたようで、ゆっくり休んでいた。


 新聖暦895年 須月の十七日


 ラオと一緒に計画を練る。

 今度は学園都市に行きたいと思っているのだ。とはいえ、何度もお出かけをするのはルアノに負担かもしれないので、今年中に学園都市に行くか、来年行くか悩みどころである。


 新聖暦895年 須月の十九日


 来年にすることにした。そのころにはルアノも少しは丈夫になっているだろう。ルグネ達にも聞いたら、ルアノが疲れるかもしれないから来年がいいと言っていたし。


 新聖暦895年 須月の二十一日


 ライラからの手紙が届いた。イラフもドーランもすくすくと育っているらしい。とてもいいことだ。

 そういえば音のならないパシャパシャするものをきんきらきんが頑張って研究しているらしい。是非、生み出してほしい。それがあればルアノの劇デビューもパシャパシャ出来たものの。


 新聖暦895年 須月の二十三日


 狩りに出かけていたミカガネが慌てた様子で戻ってきた。何でも少し前に我がかかった病気に竜族が何名もかかってしまっているらしい。ミカガネの家族もかかっているらしい。

 竜の祝祭で遊びに来ていた竜たちは元気そうだったのだが、少しずつ感染していたようだ。ミカガネのためにも薬を手に入れるのを手伝った。


 新聖暦895年 須月の二十五日


 ミカガネに薬を託して、我たちはのんびりする。それにしても、竜は体が丈夫な方なのにこういう病気もあるのだなとちょっとびっくりする。我ら竜は丈夫だからなどと安心してはいけないという事を我は学んだ。


 新聖暦895年 須月の三十日


 今月ももう終わりだ。月日が立つのは本当にはやい。


 新聖暦895年 摩月の一日


 今日は月が綺麗だった。たまに夜起きて夜空を見るのも結構楽しいものである。


 新聖暦895年 摩月の四日


 きんきらきんから我が友の本が届いた。ライラの手紙も添えてある。

 ライラの手紙には、ライラがきんきらきんに愛されて幸せな日々が書かれている。うむ、いい事だ。

 我が友についての本はとても良いものだった。友人について我があまり把握していない事も書かれていた。我が共にいない時にどうしていたかと言った事も書かれている。まぁ、よく分からない推測も書いてあったりしたが、それも仕方がない事だろう。


 新聖暦895年 摩月の七日


 ルグネが楽しそうに本を読んでいる。愛い。なんか、本を読んでいるのを見るだけでも我は愛いという思いでいっぱいになる。ちなみにラビノアとシノウールは二人で遊んでいた。

 子達は割と自由なので、三人で共に遊んでいたり、それぞれバラバラの事をしていたりと、色々である。子達はそれぞれが愛い。


 新聖暦895年 摩月の十日


 ラオとの交換日記は相変わらず続いている。相変わらず家族とかの事しか書かない。ラオも我が大切にしている家族たちを大切に思ってくれていて、とても良い事だ。我が大事なものをラオも大切にしている事は嬉しい。


 新聖暦895年 摩月の十五日


 村に下りる。

 村人以外の人達もそこそこいる。王都で開催された竜の祝祭の効果もあって、この村は結構有名になっているらしい。我にもちらちら視線はくる。まぁ、村人以外は話しかけてこないから良い。


 新聖暦895年 摩月の十七日


 ルグネの魔法の腕が結構上がってる。

 色々出来るようになっているルグネは凄い。


 新聖暦895年 摩月の二十日


 母君と父君が遊びに来ていた。

 二人とも孫である我が子達と楽しそうに遊んでいる。我も孫が出来たら母君や父君のように遊んでみたいものである。子達に番がいつかできた時……複雑かもしれないが、我はちゃんと受け入れたい。ただ考えただけでも悲しいけど。


 新聖暦895年 摩月の二十二日


 村人が外に出ていた時に怪我をしたらしい。なんか魔物がどこかからやってきていついているのだと。村人の命は失われなかったが、村人は大事なので一先ずその魔物は狩っておいた。


 新聖暦895年 摩月の二十五日


 なんか「強くなりたい」という冒険者たちが我らに稽古をつけてほしいとかいってやってきた。我は断った。めんどくさい。


 新聖暦895年 摩月の二十七日


 今日は我が子達やルアノ、ラオとお昼寝をした。その間にミカガネが昼食を準備してくれていた。

 ミカガネの事、我、好き。

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