ドラゴンさんの子育て日記㊵
新聖歴893年 守月の一日
棲家に戻ってきた。ライラのところは楽しいけれど、棲家の方が落ち着く。やはり人が多い場所にいるのは、疲れてしまう。我はあまり生物がいないところでのんびりと過ごしたいと思った。
新聖歴893年 守月の四日
学園都市に行く計画も、現在立てている。とはいえ、ライラの家からかえってきたばかりだからすぐにはいかぬ。
新聖歴893年 守月の六日
ルグネも、ラビノアもシノウールもすくすく育っている。子が大きくなるのは早くて実感するとびっくりする。
ライラの子も、すぐに大きくなるのだろうか。写真撮っていてもらおう。
新聖歴893年 守月の十一日
ラオとの交換日記は続いている。交換日記の内容にイラフの事が増えた。イラフも我が子のようなものだからの。
新聖歴893年 守月の十三日
我が子たちの魔法の練習を共に行っている。ルグネは風の魔法を使っている。我らと一緒に飛びたいといっていて、そのために風の属性を究めようとしているルグネは愛い。もちろん、ラビノアとシノウールも我にとって愛い存在で仕方がない。皆、すくすくと育っていて、見ているだけで嬉しい気持ちになって仕方がない。
新聖歴893年 守月の十五日
竜体になって空を飛ぶ。思いっきり空を飛ぶのは気持ちが良い。今日は一人で空の旅だ。家族と過ごすのは楽しいけれど、一人の時間も大事だからの。空の上から下を見下ろしていると、人が動いているのがちらちら見える。我のことを見上げているものも幾人かいる。と、思ったら、なんか魔法をこちらにはなってきた者たちがいた。とはいえ、我は結構高い所にいたからその魔法は全然届いていなかったが。急に攻撃してくるなどなんなのだろうか。
新聖歴893年 守月の十八日
なんか棲家にいたら、村の者に呼ばれた。何かと思って下に降りる。それに夜に呼ばれたので何事かと思った。
ミカガネと共に下に降りて、話を聞いたところ、つい先日我に向かって魔法を放ってきた連中が村にいるらしい。今は眠っているらしいが、その連中は「竜を退治する!」と夢を見ているらしいのだ。そして竜が住んでいるということで退治しに来たらしい。我らを退治するなどと、そんなことをいっているとか迷惑である。
新聖駅893年 守月の二十二日
竜を倒したいといっている集団がいるということでその連中が帰るまで村になるべく下りないようにすることにした。我ら成竜ならともかく、子竜たちやルグネはまだか弱い子供だからの。
新聖歴893年 守月の二十三日
あの者達は我らを退治しようと思って一生懸命山に登ろうとしているらしいが、しかし我らの住んでいる山には様々な生き物がおり、また、人だけでこの山を登るのは厳しいため、我らの元までたどり着けないようだった。
新聖歴893年 守月の三十日
いまだに諦めずに登ろうとしているらしいが、登れないらしい。竜の姿で空から見てみたが、全然たどり着けなさそうだった。竜の姿で登ったり下りたりするのは楽だが、人にとっては大変なのだなと理解した。
ルグネが大きくなってもこの山を登るの大変なのだろうか。できれば、ルグネは簡単に行き来出来るようになってほしいなと願望が沸いている。人型の姿でものんびり棲家の山をうろうろしたりとか、そうしたら楽しそうだと思って仕方がない。
新聖歴893年 威月の四日
いまだに諦めずに登って来ようとしているらしいけど、登れないらしい。いい加減あきらめればいいのにと思ってならない我である。
新聖歴893年 威月の十日
なんかラオが空を飛んでいたら魔法を放たれたから、咆哮をあげたら気絶したといって村にその者たちを連れて行ったらしい。その時に、村の者たちが何度も我らを退治しなくていいといっているが、聞く耳を持たないというのもいっていたそうだ。さっくり殺してしまおうかと最近我らは話し合い中だ。ただ今の所、直接的な危害はないから悩み中だ。
新聖歴893年 威月の十三日
村に人の姿で降りてラオとうろうろした。最近あの者達のこともあって村に降りられてなかったけれど、人の姿ならば問題ないだろうとしていたのだが、予想外のことになった。一人が我に話しかけてきた。ラオに威圧されて失神していた。
新聖歴893年 威月の十四日
口説いてきたのは、「竜を倒す」と一番言い張っていたリーダー格らしい。我らが竜だとしってショックを受けていた。
その後、しばらくその者達は宿にひきこもっていたらしい。
新聖歴893年 威月の二十日
村に呼ばれておりたら、「竜を倒す」と言い張っていたパーティーに謝られた。ようやく我らを退治しないことにしたらしい。誤解していたといっていた。そしてまた我になんかいってきて、ラオに威圧されていた。ラオが我の番だと知って、なんだかショックを受けていた。
新聖歴893年 威月の二十五日
あの者達は村からいなくなった。子たちも一緒に久しぶりに村に降りた。ルグネとラビノア、シノウールは久しぶりの村で楽しそうにしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます