ドラゴンさんの子育て日記㉚
新聖歴892年 文月の一日
今日は、家族会議をした。ルグネが魔力を量るのは来年に迫っているから。魔力あるかないかで、ルグネの人生それなりに左右されるものらしいからの。我は、ルグネには幸せになってほしい。ルグネが笑って過ごせる人生を歩んでほしい。……人間であるルグネの生は短いから、とそんな風に考えたら我また悲しくなってきた。
新聖歴892年 文月の六日
後悔しない生を歩んでほしい、我は子を持ってそんな風に考えるようになった。これが母性というものか。
新聖歴892年 文月の十日
ライラに会いたくなったから、またライラに会いにいく計画を立てはじめる。
新聖歴892年 文月の十二日
ラビノアとシノウールにはもう狩りを教えたりしてもいいころあいだが、ルグネと一緒にまとめて教えたいという気持ちを伝えたらそれでいいといわれたから、来年に持ち越ししておる。
我の子らが、仲良しで我はとてもうれしい。
新聖歴892年 文月の十四日
ルグネは我らと違う存在であることを先月、我がいってしまったけど、今は笑っていてくれていてよかった。我がルグネに愛い愛いと言い続けるのはまだやっておる。ルグネが愛いのは真実であるし、我は先月に不安にさせてしまってから我がルグネを大好きなのもっと伝えようと思った。もちろん、ラビノアとシノウールにも伝えておるぞ。あとラオもいってほしそうにしておったから、ちゃんと伝えたぞ。恥ずかしかったが、ラオが望んでおったからな。何倍もの愛の言葉で返ってきて、我、凄く恥ずかしかったのである。
何を言われたかは、恥ずかしいから、我の頭の中に留めておくのである。
新聖歴892年 文月の二十日
突撃、ライラの家を実行した。手紙を届けるまで時間かかるからの。手紙ももちろん、しておるが、行くとなると手紙を送って行っていいか聞いてから行くの面倒だった。でも突然行ったらライラの家、凄い慌てておった。きんきらきん、慌てて仕事から帰ってきたらしい。そんなに慌てずともよいというのに。
新聖歴892年 文月の二十一日
最近、ライラ少し体調が変らしい。我、凄く心配になった。我の血って回復薬とかの材料にも出来るらしい、我の血ならいくらでもやるのである! と暴走しそうになった我はラオに止められた。
新聖歴892年 文月の二十三日
ライラの家に滞在して三日目、きんきらきんがライラのために医者を連れてきた。雌の医者である。その雌はライラの体を見たかと思うと、「おめでとうございます」と口にした。我はライラが具合が悪いのに何がおめでたいのかと思わず魔力を垂れ流してしまって、雌を怯えさせてしまった。そしたらラオに「多分、子供が出来たってことだと思う」と言われて驚愕した。
新聖歴892年 文月の二十四日
ライラのお腹に命が宿っているらしい。我、ライラの子がライラのお腹にいると思うととても嬉しくなった。
新聖歴892年 文月の二十六日
名残惜しいが、ライラの元から棲家に帰った。次にライラの所に来るときは子が生まれるお祝いの品を上げねばならぬ。
新聖歴892年 蛇月の一日
子達に弟か妹が出来るのだということを、伝え続けている。ライラの子供だと、我の子たちにとっては兄妹のようなものだからな。我とラオも楽しみで仕方がない。
新聖歴892年 蛇月の三日
ミカガネとラオと一緒に、ライラの子が生まれるのが楽しみだという話をした。子たちも楽しみにしているみたいだ。でも、人の子は、子を産む時に母体が亡くなる可能性もあるらしいのだ。我は、その話を聞いた時にショックを受けた。ライラがもし、子を産むからと死んでしまったらと思うと、我は悲しい。
新聖歴892年 蛇月の十日
ライラへの手紙に我とラオの鱗を送った。人の社会では、高価なものらしいからこれを売ったお金も含めて出産の役に立ててほしいという気持ちからだ。
新聖歴892年 蛇月の十七日
ルグネ、ラビノア、シノウールと一緒にわちゃわちゃする。今日もカメラでぱしゃぱしゃしている。我の子たち愛い。アルバムに沢山の写真がおさめられているのを見ると、我は嬉しくなる。
新聖歴892年 蛇月の二十日
ライラの住んでいた村に今日は降りた。子達が、村の子供たちと遊ぶのを楽しそうにしているからの。村の子供たちは竜体になったラビノアやシノウールにはしゃいでいたりもしておった。我の竜体でも村の人たちは平然としておるからの。人というものは、慣れたからといって我らを見て平然としておるのは凄いと思う。
新西暦892年 蛇月の二十三日
ライラから手紙が来た。鱗をくれたお礼と、高価なものだからあまり簡単にあげてはだめだといわれた。あと最近、ライラの家は竜公爵とか言われ始めているらしい。我らと交流が深いかららしいのだ。
新聖歴892年 蛇月の二十七日
ルグネとラビノアとシノウールをぎゅーっと抱きしめる。子たちを抱きしめるの、我好き。これからも、子たちがすくすくと育ってくれたら我は嬉しいと、子たちを愛しい気持ちを感じながら思うのだ。
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