ドラゴンさんの子育て日記㉖
新聖歴891年 須月の一日
ライラの家から帰宅した。ライラには時々会いに来ようと考えておる。
新聖歴891年 須月の四日
ライラが居ないの寂しい。寂しいのである。でも我にはラオや子達もおるし、母君やミカガネもおる。
……我、ルグネを拾うまで我一人で過ごしていた。なのにここまで寂しく思うなんて、我、我自身の変化にびっくりである。とりあえず我が子達を抱きしめてごろごろした。人型で人型の子竜たちとルグネをまとめて抱きしめると、子竜たちはちょっとめんどくさそうな顔をしたけど、おとなしく我に抱きしめられていた。愛い愛い。
新聖歴891年 須月の十日
ミカガネがちょっと数日でかけるらしい。いってらっしゃいと我らは送り出した。
新聖歴891年 須月の十五日
ミカガネまだかえってこぬぞ! ちゃんと帰ってくるのかとちょっと心配である。我が「数日と言ったのに帰ってこぬぞ」といったら、ラオにミカガネは成竜だし大丈夫だといわれた。うむ、確かにそうである。ミカガネも高位竜である。その成体に何かあるというのは考えられない。
しかし、ライラがお嫁にいったばかりで我、周りから人がいなくなるのは寂しいと思うのであるといっていたら、ラオに俺はずっと傍にいるからと宣言された。嬉しいのである。
新聖歴891年 須月の十七日
ミカガネが帰ってきた。我、竜体で戻ってきたミカガネに竜体で飛びついてしまった。危ないじゃないと怒られた。すまぬ。嬉しかったのである。
新聖歴891年 須月の十八日
ミカガネ、子と会いにいっていたらしい。ミカガネの四人の子のうちの一番上の雄竜が近くに来ていたらしい。我もちょっと興味を持った。ミカガネの子も我とラオがくっついたことに興味津々らしく、会いたいといっておるらしい。というか、我と面識があるらしいが、正直覚えておらぬ。
ラオは覚えているらしい。ラオは記憶力が良いなと思った。
新聖歴891年 須月の二十日
ミカガネの子が来た。長男である子は立派な成体であった。その長男は我の巣に来て思いっきり笑った。
あの白竜シルビアが子にデレデレとか! と慣れ慣れしい態度でいってきた。我が長男のことを覚えてないことをいうとショックを受けていた。何度も会っていたらしい。落ち込んでいて申し訳ない気持ちになった。
新聖歴891年 須月の二十三日
子竜たちとルグネとのんびりと過ごす。のほほんと過ごすのが本当に心が穏やかな気持ちになる。
新聖歴891年 須月の三十日
ライラと一月会っていない。それだけでも何だか悲しい我。我は自分がこれだけ人に執着できるなどと思っていなかった。今は亡き友人以外の人間と仲良くなれると思っていなかった。
新聖歴891年 摩月の四日
父君が来た。
新聖歴891年 摩月の五日
昨日はびっくりして一文しか日記をかけなかった。久しぶりの父君である。父君、我がラオと番になっているし、子竜が居ることもびっくりしておるし、人間の子を育てることもびっくりしておるし。我、父君のこんなに驚いた顔を見るのが初めてである。
ちなみに父君も母君も自由な竜で常に一緒に居るという感じの番ではなかったので、我がラオと番になったと知るタイミングが色々とずれたらしい。
新聖歴891年 摩月の十日
父君、はしゃいでおる。ラビノアとシノウールがちょっとめんどうくさそうにしていた。父君のこんな姿初めて見た。父君、孫可愛さに母君と一緒に近所の山に住まうらしい。子の力というのは凄いなと我は思った。
新聖歴891年 摩月の十四日
また、棲家が騒がしくなった。ライラが居なくなって、父君がきて。うむ、ルグネを拾ってから、にぎやかでいいな。
新聖歴890年 摩月の十七日
父君、ライラの話をしたらライラに会いたいと言っていた。というか、父君とは色々な話で盛り上がった。何分、会うのも久しぶりだからの。父君は我が亡き友人と仲良くしていたことは噂で聞いていたようだけど、その話を我から聞くのは初めてだからと色々聞いてきた。
新聖歴891年 摩月の二十五日
ライラに会いに行くと手紙を書いた。突然行くとライラが困るかもってラオに言われたから手紙を書いた。ライラに会うの楽しみなのだ。
新聖歴891年 摩月の二十七日
父君と母君、割と久しぶりに会ったらしい。交尾もしたらしい。我の両親、元気である。
父君と母君が仲良さそうにしていると、我、嬉しくなるのである。
新聖歴891年 摩月の三十日
来月、皆で外にライラの元へ行こうという話になった。我、ライラに会えると思うと嬉しくて仕方がない。嬉しくて仕方がなかった。皆ライラに会えるの楽しみにしておる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます