満月の日に
月菜
第1話 プロローグ
僕は本宮和樹。 水瀬高校の2年生だ。
僕の席は、右隣が空席だ。
僕は想像でその空席に座る人をモデルにした絵を毎日描いている。
今までに、その空席の人の絵を5枚描いた。
1枚目は、茶髪のショートカット。 2枚目は、黒髪のロング。 3枚目は、白髪のハーフアップ。 4枚目は、茶髪のツインテール。 5枚目は、赤髪のミディアムだ。
僕は、なんとなくその空席を埋めるのは女子のような気がするんだ。
今日も、その人の絵を描く予定でいる。
今日は満月らしいから、満月を背景にして。
今夜、会うことになる少女が右隣の空席を埋める人であるとも知らずに。
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