書くのやめれば
俺は今絶賛ブレイクタイムである。
なぜなら執筆がしたくないからだ。
だって書いても書いてもあの二人が読んだらダメ出しされるんだよ。
そもそもダメ出しで心折れるはずなのにこんだけ書き直しさせられてるんだ、書きたくもなくなる。
つまり俺のハートがブレイクされたから逃げるようにブレイクタイムに入ったということだ。
ちょっともう頭やばくなってきたな。
「変なこと考えてないで真面目に執筆しなさいよ」
はい、変なことってのはわかってるんで催促とかやめてください。
急かしたっていいのができるわけじゃないんだよ。
というかさっきの聞かれてたんならめちゃめちゃ恥ずいな。
「さっきのは小説のネタにしないでくださいね」
しっかり聞かれてたようだ。
そんなつもりで考えたんじゃないんです。
ただの現実逃避なんです。
「お前らがダメ出ししかしないからもう思いつかないんだよ」
「そ、じゃあもう書くのやめれば」
「セレナちゃんそんなこと言ったら先輩ほんとにやめちゃうよ」
「向上心がないんだからさっさとやめた方がいいわよ」
向上心がない、ルナには俺が自分の作品を良くする気がないように見えているようだ。
でもそうだな、俺はダメ出しのせいだとか話が思いつかないとかで言い訳してるだけだ。そう見えてもおかしくないか。
「向上心がないならやめたほうがいい、ルナの言う通りだな」
そう言うとルナは歯を食いしばって睨んできた。
なんだよ、お前の言ったことだろ。
でもな、俺は物語書くのが楽しいんだよ。
お前が正しいこと言っててもそれが俺の気持ちなんだ。
だから
「言う通りだとしても俺は書くよ。小説が書きたいからな」
ルナは俺の発言を聞いて睨むのをやめそっぽを向いた。
つーかルナには感謝しないとな。
やめればって言われたおかげで自分の本当の気持ちに気づくことができた。
俺の気持ちはかなり単純だった。
小説を書くのが楽しい、ただそれだけ。
「ありがとな、ルナ」
そう言いルナの頭に手を伸ばしそうになったけどこれも怒られてたなと思い出しやめておくことにした。
せっかく良い雰囲気なのにまた同じことして怒られちゃダメだよな。
「ふん、わかったならしっかりやればいいのよ」
「おう、とりあえずルナに認められるように頑張るよ」
「それはあんたの実力じゃまだまだね」
こいつはほんと生意気だな。
最初はただ毒舌で生意気なだけのやな奴って思ってたけど意外と人のこと考えれるし人の言ったこと聞きいれることもできる。
まぁ言い方が生意気なのは変わらんけど可愛い後輩だなって思う。
美少女だから可愛いというのではなく良い後輩というかなんというか。
ああ、こういう語彙力もつけなきゃルナには認められないな。
「あのー、良い雰囲気ですけど私のこと忘れてませんか?」
ブルースカイがそんなことを聞いてくる。
ルナの発言で自分のことに向き合ってたからな、正直言うと忘れてた。
「勝手に二人の空間作られると居づらいですよ」
「「そんなの作ってない(わよ)!」」
「ほら、息合ってますし」
「「合ってない(わよ)!」」
ルナが俺を睨んでくるので俺も睨み返す。
なんなんだこいつは。
一々俺のセリフに合わせてきやがって。
「あんたが合わせてるんでしょ!」
「どう考えてもお前だった!」
「そんなことするわけないわよ!」
「俺の方がする理由ない!」
前言撤回、やっぱこいつはただ生意気なやつだ。
俺とルナが睨み合いながら言い合いしてるとブルースカイが割って入る。
「はいはい、合わす気なかったけど合ったってことですよね。仲良いですね」
「「仲良くない(わよ)!」」
そう言い俺とルナがブルースカイに詰め寄る。
けれど平然とした態度をしている。
「仲良くないのにそんなに合いますか?」
「こいつが合わしてるのよ!」
「は? お前だろ!」
また言い合いが始まるかと思ったら丁度よく下校のチャイムがなる。
それで俺たちは言い合いをやめて帰るのだった。
その帰り道で俺はふと気がつく。
生意気なのが嫌なだけで仲良いのは否定しなくてよかったんじゃないか?
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