第6話:真的假的?(まじ?)
大家さんからメッセージが来た。シェアハウスの連絡は基本的に日本でも使われているメッセージアプリを使っている。翻訳ガバガバなので頑張って読み解くと明後日の3時にエージェントがシェアハウスに迎えに来るらしい。愛美は違和感を感じた。現地オリエンテーションは1時からだったはずだ。エージェントから貰った資料にもそう書いてある。オフィスに自力で行くはずだった。3時出発だと学校のオリエンテーションに向かう時間になるはずだ。嫌な予感がした。13時を3時と打った可能性を考えながらも、速攻大家さんに確認した。3時らしい。大家さんはエージェントのメッセージアカウントを私が知らない事に驚き、教えてくれた。愛美は緊急時の連絡先電話番号しか知らなかった。携帯が繋がらないので緊急時連絡先に電話も出来ない状態であったため、大家さんの機転に感謝しながらメッセージを送った。割と直ぐに返信は日本語で来た。
「現地オリエンテーションは今日でした。」
「は?」
思わず愛美はエージェントからの資料と携帯の日付を確認した。間違ってない資料の日程は明後日になっている。その事を伝えると
「空港からシェアハウスに送る時に担当の者から伝えたはずです。」
愛美は記憶を遡るが、担当者達が談笑していただけでそのような話は出てなかった。
「伝達忘れかよ…。」流石に空港の件からここまでトラブルが続くと、愛美もエージェントを利用した意味が無くなってきたと感じた。
とりあえず伝わっていない事を伝える。メッセージ担当者は謝罪をしてくれ、明後日1時からオリエンテーション自体はして貰えることになったが、もうそれすら不安で仕方ない愛美だった。しかし弱音を日本にいる友達や彼氏に言うわけにいかない。家族に対して言うのは以ての外だ。近いとはいえ海外でそんな事になっているなんて知ったら余計な心配をかけるだろう。愛美は元々エージェントに頼りきりにするつもりもなかったが、ここまで来ると酷い以外の言葉が出なかった。
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