第18話 子猫の成長は寂しさと共に
お兄さん猫の冒険はもうすぐ終わります。
家ではお母さん猫が待ちわびていました。
「あの子はまだ帰らない。一体どうしたのかしら。あの子はいったいどこへ行ったのかしら?ああやだわ。」
とても心配です。
「探しに行った方がいいかしら。」
お母さん猫がソワソワしていると
「ただいまーー!」
仔猫が帰ってきました。
「お帰りなさい。」
お母さん猫は子猫を抱きしめます。
「お帰りなさい。」
「お母さん?さっきも聞いたよ!」
「あら、そうだったかしら?ふふ。お母さんあなたが居なくて寂しかったわ。いつもこんな気持ちで留守番してるのね。」
「お母さんごめんなさい。でも、ぼくはいつも寂しくなんてないよ?だって僕はひとりで冒険もできちゃうんだから。」
お母さん猫はいつの間にか大きくなった仔猫の姿に寂しさを滲ませました。
「余計に寂しくなっちゃうわね。」
「どうして?」
「なんでもないわ。」
「教えてよー!」
「秘密。あなたもいつか分かるわよ。ふふふ。さあ、ご飯にしましょう。」
その夜、仔猫はたくさん冒険の話をしました。母猫は子猫の成長と共に、親の寂しさも育つのだと。この日、子猫から教わったのです。
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