第5話 初めての街、久しぶりの街
街に入った仔猫は初めて見るたくさんの人や、物、家々にとても驚きます。
「わああ。なんだなんだ?!さっきの子に似ているなあ。でもどの子も喋らないんだ。それに二本足で歩くコレは一体なんだ?」
仔猫は不思議で仕方がありません。
「真似してみたら出来るかも!」
仔猫は真似をするつもりで二本の足に力を込めて立ち上がります
「どうだ?すごいだろ。すぐに出来ちゃったぞ!」
仔猫はとても楽しそうです
「よっ。よっと、とー。よっ。」
仔猫は二本足でバランスを取りながら前に進みます。
「よっ。よっ。よーっと。と。と。あっ!」
仔猫はバランスを崩して後ろにステンッと転がりました。
「あーーー!……いっててぇ…いて…」
すると後ろからヒョイっと、誰かが子猫を抱き上げます
「おやおや、大丈夫かい?こんなところで遊んでいたら踏まれてしまうよ。街は賑わっているからね」
「おいっ、やややめろ!!はなせえ!!」
仔猫はジタバタと暴れます
「おやおや、嫌だったかい?人には慣れていないんだね。こんなとこに居るからてっきり。すまないね。いま、下ろしてあげるよ」
そう言って、おばあさんは道の脇にそっと仔猫を下ろしました。
「じゃあね、気をつけるんだよ。」
おばあさんはそう言い残し、近くのお砂糖屋さんに向かいました。
「お砂糖を2つ。すまないが、家まで送っていただけるかね?そうして貰えればとても助かるんたがね」
「あら、山の上のおばあちゃんじゃないかい。元気にしていたかい?」
「ええ。私はいつだって元気だよ。ただお砂糖は重いからね。」
「ひとつじゃ足りないのかい?」
「ジャムをつくりたいんだ。うんと甘いのをね。」
「そうかい。そうだね…うちの旦那がいつも運んでいるんだがね。今日はあいにくの買い付けの日でね。朝早く出かけて、帰るのは明日の朝なんだ。すまないね。」
「そうかい。なら仕方ないね。ありがとうね」
おばあさんはお砂糖を2つ受け取ります。瓶に入ったお砂糖はとても重いのです。
「いやだねえ、歳は取りたくないものだ」
おばあさんはため息をひとつつきながら瓶を2つ持ち街中を進みます。
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