【狂気編】カルーア通りにはお金が落ちている【6人声劇台本】
レイフロ
カルーア通りにはお金が落ちている【狂気編】
【男4:女2】
【所要時間目安:60分程度】
🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀
こちらの台本は2部構成になっています。
【狂気編】だけでも話はわかるように書いてあるので、単体でも使用可能です!
主要キャラ4人声劇台本【日常編】と合わせて演る場合には、出来れば日常編を先にお願い致します!
👇『カルーア通りにはお金が落ちている【日常編】』
https://kakuyomu.jp/shared_drafts/W3WT8flgrRYqdAsIs4HNl8huoSnMwxY5
🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀
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☡使用する際は必ず説明欄や詳細文などに『作品タイトル・台本URL・作者名』の明記をお願い致します。
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【人物紹介】
♀アルメラ(24歳)
大きすぎるトラウマから逃げるため、常にほろ酔い状態。ミテイトと半同棲状態ではあるが、恋人ではない。
♂ミテイト(22歳)
アルメラに惚れこんでいるが、現状彼女のお財布状態。金策のために銀行強盗を働いている。アルメラを守るために他にも裏で動いているらしい。アルメラとは出会って2年。
♀アイス(24歳)
変な商品を扱っている商売人。夫のシェイクとはウザいくらいラブラブだが、それとは別で愛人募集中。
♂シェイク(25歳)
アイスの夫。氷細工の芸術家。そのモデルとなる女性とは作品を作る時に必ず寝ている。世界中を飛び回っているが、その正体には何か秘密があるらしい。
♂支配人(34歳)
カルーア通り銀行の総支配人。爽やかで物腰柔らかい表の顔とは裏腹に、裏カジノのオーナーでもある。アイスとは愛人関係。
♂男(30歳)
アルメラにトラウマを植えつけた張本人。人身売買や未成年監禁等の罪で捕まるも、強大な力を持つ祖父の口利きで5年で刑務所から出所。アルメラへの固執は異常。
(☡過激な発言や叫びが多いため、配役は十分注意して下さい。低音ボイス推奨。)
↓生声劇張り付け用
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カルーア通りにはお金が落ちている狂気編
作:レイフロ
アルメラ♀:
ミテイト ♂:
アイス ♀:
シェイク♂:
支配人♂&N:
男♂:
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⚠今後のレイフロの台本の更新、新作の公開につきましては、下記HPで行いますので、ぜひご覧ください!
https://reifuro12daihon.amebaownd.com/
以下、台本です。―――――――――――――――――――
男:
あはは!アルメラぁぁ!俺は必ずお前んとこに帰ってくるからなぁ!!お前はもう俺がいなきゃ生きていけねーんだ!どんな手使ってでもお前を見つけ出すから待ってろよぉぉぉ!!
アルメラ:
(飛び起きる)いやっ!!はぁ、はぁ…
ミテイト:
アルメラ、大丈夫、落ち着いて。全部夢だ。
アルメラ:
は、早くプールに入らなくちゃ…!カクテルのプールに…っ!!
(SE:バシャン←プールに入る音)
N:
アルメラは大きすぎる過去のトラウマから逃げていた。甘い甘いカクテルで満たされたプールにとっぷりと浸かって、何も考えなくて済むように、脳みそをアルコールで「馬鹿」にしている。
アルメラ:
はぁ…落ち着く。今度から寝る時もどうにかしてプールの中で寝ようかしら。
ミテイト:
ただでさえ室内にカクテルのプールを作るなんておかしなことをしてるのに…。絶対ダメ!
アルメラ:
ほんとミテイトは口うるさい。アタシはただ、ほろ酔いでフワフワしていたいのに…。
そうだ!明るい気持ちになれるように、次はファジーネーブルで泳ぎたいわぁ。
ミテイト:
簡単に言うけどさ、このデカイ屋内プールのカクテルを入れ替えるのはすごい金がかかるんだよ?!アルコールを直接肌から吸収しないようにするそのクリーム代も!
アルメラ:
ん?これ?
ミテイト:
そう!あのエセ訪問販売員のアイスから買ってるその特製クリーム!バカみたいに高いし!
アルメラ:
成分は良く分からないけれど本当にアルコールを弾くのよ~?肌内の水分は保湿したまま外部の刺激は完全シャットアウト~!必需品だわ!それに背中は塗らせてあげてるでしょー?
ミテイト:
くっ…!もうそれが唯一の楽しみと言っても過言ではないっっっ!!
(SE:着信音)
ミテイト:
電話だ…ちょっと外に出てくるよ。
アルメラ:
わかったわぁ。
ミテイト:
もしもし。準備は?
支配人:
出来ていますよ。今日銀行が閉まる15時ギリギリに強盗に入って下さい。武器はいつもの場所に用意してあるので好きに使って下さい。
ミテイト:
オーケー。難易度は上がってるんだな?
支配人:
えぇ。腕のいい警備員を配置しました。彼らをどうするかが成功の鍵です。出来れば一人くらい派手にブチ殺してくれると観客は盛り上がるんですが。
ミテイト:
……。
支配人:
今までのようなスマートな銀行強盗もいいですが、派手好きなお客様の財布を開くには、それなりの高いパフォーマンスが必要なんですよ。わかるでしょう?
ミテイト:
おかしな話だな。これから押し
支配人:
私は『カルーア通り銀行の総支配人』であると同時に、裏カジノの 『LIVE(ライブ)プレゼンター』 でもあります。リアルで刺激的な生放送を、トチ狂ったお客様に提供したいのですよ。
ミテイト:
悪趣味だな。
支配人:
そのおかげであなたも多額の金を得ているのでは?あなただって同じ穴の
ミテイト:
俺には金が要るんだ。
支配人:
好きな女がカクテルでプールを作っているんでしたね?でもそんなもので何億も金がいるとは思えない。本当は何に使っているんです…?
ミテイト:
詮索はしない約束だろ。
支配人:
それに彼女はあなたが銀行強盗をしてお金を稼いでいると知っているのですか?
ミテイト:
そんな危ないことをしてるなんて言えるか!
彼女には…『カルーア通りにはお金が落ちているから、資金はそこで拾ってくる』と、嘘を…
支配人:
ふはは!それは傑作ですね!そんな嘘を真に受けるとは、彼女は余程現実から逃げたいと見える…くっくっくっ。
ミテイト:
わ、笑うなっ!
支配人:
とーにーかーく!『LIVE』のお客様には警視庁のトップも居ますから、安心してぶっ殺してくれていいんですよ?あなたの罪は責任持ってもみ消しますから!
ミテイト:
…殺さない。
支配人:
あなたの映画のようなスマートな銀行強盗っぷりにもファンはいますから、それでも構いません。
でも、殺せば報酬は一気に跳ね上がりますよ?残酷になればなるほど、報酬は
ミテイト:
……。
支配人:
フフ、お金を稼ぐのは楽じゃないですねぇ?でも私は、あなたはきっと化けると思っていますので期待していますよ?それでは。
(通話終了)
ミテイト:
チッ…
(間)
N:
同時刻、アルメラとミテイトの友達でもあるアイスとシェイク夫妻は、まだベッドの中でまどろんでいた。
アイス:
(囁くように)よく寝てる…。2ヶ月ぶりの帰国だもんね。納得のいく作品は出来たのかしら?氷細工の芸術家さん♪
シェイク:
んん…
アイス:
無防備な寝顔…女の力でも男を絞め殺すことは出来るかしら…?
シェイク:
(眠たそうに)ん、できるよ…上に乗っかって、喉仏を潰すように全体重をかけるんだ…
アイス:
やってもいい?
シェイク:
いいよ…。「いつか君を殺してあげる」という約束は果たせなくなってしまうけど…。
アイス:
ダーメ!あなたには絶対に私を殺してもらわなきゃ。
シェイク:
ああ、わかっているよ。僕の可愛い奥さん。
アイス:
フフ。あ、そうだ、ネットニュースに出てたわよ!スイスで氷づけの女性の遺体が見つかったって!
シェイク:
もう見つかったのか。早かったな。
アイス:
パパラッチが撮影した写真が出回ってるわ。スマホの待ちうけ画面にしようかなぁ。
シェイク:
そんな遠くから撮影した写真じゃなくて、もっと綺麗に撮ったものがあるよ。…ほら。
アイス:
なんて美しいのかしら!まるで、氷の中にいることがこの女性の本来の姿なんじゃないかと錯覚しそうなほどだわ…。
シェイク:
彼女を落とすのは大変だったよ。身体を許してもらえるまでに1ヶ月以上かかってしまった。
アイス:
お疲れ様!(苦笑)
あなたの熱烈なアプローチに
シェイク:
女性の魅力を最大限に引き出すためには、モデルと寝ることは必須だからね。でも、苦労はしたけど今回も最高傑作とまではいかなかった。
アイス:
氷細工の職人として最高傑作が出来るまでは、私とは寝ないのよね?
シェイク:
待たせてしまって本当にすまない。でも君は特別なんだ。殺した女を氷づけにするだけのただの殺人鬼だった僕を、本物の芸術家にしてくれた君は。
アイス:
あなたに最高に愛される日を楽しみにしてるわ♪
シェイク:
あぁ。…それで、君の方はどうだい?いま愛人は何人いる?
アイス:
んふふ、ヒミツー!一番のお気に入りは、カルーア通り銀行の総支配人かな!でも最近はミテイトも気になってる!ふふ。
シェイク:
ミテイト?!彼はやめなさい。アルメラ一筋じゃないか。
アイス:
えぇ〜?
シェイク:
もし何かこじれそうになった時は言うんだよ?僕がブチ殺してあげるからね。
アイス:
えぇ、ありがとうシェイク。愛してるわ。
シェイク:
僕も愛しているよ。
(間)
N:
数日前。マティーニ刑務所前にて、一人の男が出所した。
男:
やーっと出られたぁぁぁ。スーハー…旨いなぁ、5年ぶりのシャバの空気は!
でも塀の中ってのはやべーオトモダチを作るには最適な場所だってことも分かったし、まぁいっか。新たに出来た人脈を使えば、また“楽園”を作ることも出来るが…。
その前にまずは俺の女を迎えに行かなきゃなんねーよなぁ?必ず探し出してやるからなぁ?…アルメラぁぁぁ。
アルメラN:
アタシは6年前、彼氏だと思っていた人に1年間監禁されていたことがある。初めて好きになった人だった。…信じていた。
男(優しげな好青年で):
実は、ギムレット島っていう小さな無人島を祖父が持っていてね?そこに別荘があるんだけど…。
あのさ、アルメラ。夏休みに一緒に遊びに行かないか?
アルメラ:
え…?それって、あの…お泊りってこと?
男(優しげな好青年で):
うん、そう、なるかな。無理にとは言わないんだけど…ダメ、かな?
アルメラ:
ううん…!嬉しい!行きたい!
男(優しげな好青年で):
そっか…!よかった、決まりだね!内心ドキドキしていたんだけど嬉しいよ、君と初めての旅行だ!
アルメラN:
彼氏との幸せな旅行になるはずだった…。
誰も知らない小さなギムレット島にある別荘に着くと、そこには信じられないような光景が広がっていた。
何人もの虚ろな目をした女性たちが大勢、鎖に繋がれていたのだ。訳がわからずただ驚くアタシに、男はついに本性を現した。
男:
(豹変して)アルメラぁ、楽園へようこそ。今日からお前はここで俺と“カゾク”になるんだ!見ろよ?こぉんなに女がいる中で、お前は俺の一番になれるんだぜ?嬉しいだろ?
これからはずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと一緒だ。
アルメラ:
…へ?な、何を言って…?
男:
お前は選ばれたんだよ。楽園の住人になるんだ。お前は働かなくていいし、俺以外の誰とも関わらなくていいっ!
あぁ、金の事は心配するなァ?ルートさえありゃいくらでも手に入るんだぜ?!ここにいる女どもは家出してフラフラしてる行く当てのないバカなやつらよ。そんなのが街中にはゴロゴロと“落ちてる”んだからなぁ。
俺は
アルメラ:
売るって、この人たちを?!だ、誰に?売ってどうなるの…?!
男:
大体は海外さ。美人ならどこぞの大金持ちのド変態が買ってったり、あとは娼婦を扱うブローカーもいるだろォ?ブスでも臓器は高く売れるしぃ?そうじゃなくたって改造武器の試し撃ちや、新しい麻薬の試験体にも使い道があるし、ニンゲン捨てるとこないよなァ?ふはは!
アルメラ:
う゛…っなんてことを…!
男:
そうそう!前にさァ、非合法で飼ってるライオンの餌にするっつって
アルメラ:
そんな…アタシは、あなたのこと、いい人だって…!本気で、好きに…うぅ…(泣く)
男:
心配するなよアルメラ。お前を売るわけがない。アイシテルんだ。一目惚れなんだよ。
俺だけを見てくれ俺だけを見てろ俺以外見るな俺が見ていないところで息をするなッ!!
…はぁはぁ…
俺が女を売ってお前のために金を稼ぐからな???なぁんにも心配イラナイ。
だからお前は俺と…
たぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっくさん
コドモを作ろうなァ???
アルメラN:
監禁されていた1年間で、何人もの若い女性が連れてこられ、何語か解らない怪しげな奴らに定期的に引き渡されていった。男はアタシを“妻”だと言ったが、まるで奴隷だった。
ある日、家出の子から足がついて島に突然警官隊が突入してきた時も、アタシはただボーッと一点を見つめていたという。
男:
あはは!アルメラぁぁ!俺は必ずお前んとこに帰ってくるからなァ!!お前はもう俺がいなきゃ生きていけねーんだ!どんな手使ってでもお前を見つけ出すから待ってろよぉぉぉ!!
アルメラN:
保護されて病院で目を覚ましたアタシは、「男は刑務所に入ったし、手術は成功したから安心していいよ」と言われた。
何の手術かと問うと、ズタズタになった☓☓を摘出したのだと告げられた。
「命があっただけでも幸運だった」
「助かって良かった」
「奇跡だ」
と、張り付いた笑顔で言われた。
…何も良くなかった。
何も。
警察に連行される男の夢を、この5年間幾度となく見た。アタシはきっと、どこに逃げたとしても、アイツから逃げられはしないのだろう…。生きている限り、絶対に。
(間)
N:
秘密の武器貯蔵庫にて。ミテイト、銀行強盗開始10分前。
ミテイト:
トンファーやら
(間)
N:
ほぼ同時刻。カルーア通り銀行近くのラブホテルにて。
アイス:
はぁ、はぁ…あっつ…!
あ、もう15時よ!時間いいの?『LIVE(ライブ)プレゼンター』さん?
支配人:
ふぅ…!あっつい…。
今日は他の者に司会を任せていますので大丈夫です。貴女とはつい長々とシてしまいますね、真っ昼間だというのに(苦笑)
アイス:
しょうがないでしょ?私たち身体の相性がいいもの。…てゆーか!今日はミテイトが強盗に入るんでしょ?もしかしたら彼が初めて人を殺すかもしれないのに、見逃すかもよ?
支配人:
どうせいつものスマートな銀行強盗で終わりますよ。彼はきっと善良な人間は殺せない。
アイス:
ふーん。でも一応ふっかけたんでしょ?
「殺せば報酬は
支配人:
フフフ、よく分かりましたね?彼の腕は確かですから、タガさえ外れてしまえば恐ろしい化け物になる気がするんですよね。
アイス:
へぇ、そうなの。ますます彼と寝たくなった!
支配人:
おや?では私はそろそろ用済みですか?旦那さんが出張に出かけてしまった直後は「寂しいから」と、いつも私を誘ってくれていたのに。
アイス:
安心して?しばらくはキープよ!あんたとは相性が抜群だから!
支配人:
貴女のそういうサバサバしたところ好きですよ。そういえば、私たちのことは旦那さんには秘密にしているんですか?
アイス:
ううん?ちゃんとカルーア通り銀行の総支配人とシテくるねって言ってきたわ!
支配人:
相変わらず、ややこしい夫婦ですね。
アイス:
あんただって既婚者でしょ?それに、愛がなければこんなのただのスポーツじゃない。
支配人:
はは、それは言えてますね。
アイス:
さ、やることやったし、私は帰るわ。アルメラにアルコールを弾くクリームを売りつけに行かないと!
支配人:
そうですか。では、また寂しい時はいつでもお声がけ下さい?ミセス アイス。
アイス:
えぇ(苦笑)。ではごきげんよう、カルーア通り銀行・総支配人さん?
(アイス去る。)
(SE:着信音)
支配人:
私だ。…そうか、やはりミテイトは誰も殺さなかったか…わかった。私もこの後いったん銀行に戻る。
(通話終了)
支配人:
今夜は因縁の相手と対峙するというのに、こんな調子で本当に大丈夫なんでしょうか。まぁ、私としてはこの際どちらでもいい、たくさん血をが流れてくれればそれで…。フフフ。
(間)
ミテイト:
ふぅ。今回の銀行強盗は手こずった…。相手を傷つけないように応戦するっていうのは骨が折れる…。
シェイク:
やぁ。
ミテイト:
シェイク!どうしてここに…!
シェイク:
君に話があってね。二人きりで話せるかな?そこにバーがあるから入ろう。完全個室がいいのならラブホテルでもいいけど?
ミテイト:
バーでいいっっ!
(Bar内)
シェイク:
で、話だが。君はアルメラのトラウマの原因となったあの男についての情報を集めているね。だから知っていると思うけど、彼は数日前マティーニ刑務所から出所し、この街にも既に足を踏み入れている。
ミテイト:
なぜそれをっ!!
シェイク:
君は大金をつぎ込んで刑務所内に刺客を送り、あの男を仕留めようとした。だが、あいつは強大な力を持つ祖父を使って、刑務所内で自分を守ってくれるボディガードを雇っていたんだ。
ミテイト:
やはりそうだったか…!俺が送り込んだ刺客は5年間で3人。銀行強盗で稼いだ金を使って苦労して送り込んだのに、全員ブチ殺されたよ。
シェイク:
君は、愛するアルメラの害となりそうな者は徹底的に調べているようだけど、僕のことはどこまで知っている?
ミテイト:
自称・氷細工の芸術家…。あんたの行った先では美女の氷づけの死体が見つかっている。でも優秀な探偵を雇っても、現場を押さえることは一度も出来なかった。
シェイク:
そこまで知っていて、よく僕と普通に接してくれていたね?アルメラに害が及ぶと思わなかったか?
ミテイト:
あんたはイカレてるが、芸術家としての信念は本物だ。アルメラがモデルを引き受けない限り、彼女に手を出す事はしないはず。
シェイク:
はは、芸術家として認めてくれて嬉しいよ!…僕はアルメラをモデルにしたい。理由は違えど、あの男を排除したいという点で君とは目的が一致しているんだよ。
ミテイト:
答えろ。アルメラが万が一モデルを引き受けたら…彼女を殺すのか?
シェイク:
僕は最高傑作を作ることが出来たら芸術家を引退する。…そのために彼女の死が必要であるのなら、僕はアルメラを殺そう。
ミテイト:
……。
シェイク:
ふふ。でもまずは目の前の脅威だ!僕も協力するよ?だが、また暗殺者を雇おうとしているならやめた方がいい。どうせ返り討ちだ。
ミテイト:
俺はアルメラの心に、身体に、傷を負わせたあの男を許す気はないッ!!今回の銀行強盗で得た金は、ヤツを誰にも邪魔されずに殺すための舞台を作るために使った。
シェイク:
ほう?ヤツを殺すための舞台か!面白い!
ミテイト:
協力すると言うなら、とある場所にヤツを誘導する役を頼みたい。出来ればアイスと一緒だと自然だと思う。
シェイク:
フフフ、了解だ。慎んで引き受けようじゃないか!
(間)
N:
同日、22時。アルメラの家の前にて。
男:
アールーメーラぁぁぁ?ココにいるのは判ってるんだぞぉ?愛しい愛しいダンナサマが迎えに来たぞぉぉぉ?
…あ?なんだこの部屋…プールか?しかもこの甘い匂いは…?
シェイク:
やぁ、こんばんは!
アイス:
プールの中味はカクテルよ。
男:
あぁン?誰だ貴様ら。なんで男がアルメラの家にいる?!?
…さてはあのクソビッチ浮気してやがったな!俺という夫がいながら裏切りやがったのか!クソムカつくクソムカつくクソムカつく!許さねぇぞ!!あ゛あ゛あああああ!!
シェイク:
(小声で)思った以上にイッちゃってるヤツのようだね。
アイス:
(小声で)えぇ。ここは
男:
オイ貴様らぁ!アルメラをどこにやったァァァ!
シェイク:
落ち着いて下さい。僕たちはアルメラさんから伝言を預っているんです!
アイス:
「アタシの“夫”がもうすぐここにくるから、伝えて欲しい」って言われたのよ?
男:
“アタシの夫”…?アルメラがそう言ったのか?!ふふ、取り乱して悪かったなぁ?…で、俺の女は今どこにいる。
アイス:
実はアルメラさん、
シェイク:
僕たちは隣に住んでいる夫婦でして、たまたまその現場を見かけた時に伝言を頼まれまして…。
男:
んだとぉぉぉ?!どこに連れて行かれたか言え!!今すぐ言わねーとブチ殺すぞッ!!
アイス:
ら、乱暴はやめて下さいっ!地図を書いておきましたから!あと、このIDカードが無きゃ入れないらしくて、アルメラさんが1枚だけ奴らからスッたみたいです…。
シェイク:
そこは「裏カジノ」がある場所なんです。アルメラさん、借金のかたに売られてしまうのでは…?!
男:
てめぇら、このことは誰にも言うなよ。もし誰かに言ったら地の果てまで追ってってライオンの
アイス:
わ、わかりましたっ!絶対に誰にも言いません!
男:
よォし。アルメラ、今すぐ迎えにいくからなァァ!
(SE:走り去る音)
アイス:
ふぅ…冷や冷やしたぁ。あいつに渡した特別なIDカードは1枚だけ。あいつの取り巻きは中には入れないはずよね?
シェイク:
あぁ。裏カジノには、いくら金を積んでもあの腐れ銀行の総支配人が首を縦に振らない限り、カードがないと入れないからね。
アイス:
言い方に毒がこもってるように聞こえるのは気のせい?
シェイク:
アイツは君の愛人だろ?!
アイス:
妬いてるの~?シェイクったら!ふふ(心底嬉しそうに)
シェイク:
(誤魔化すように咳払い)ゴホンっ…とにかく!僕らに出来るのはとりあえずここまで。あとはミテイトの本気を見せてもらおうじゃないか…。
(間)
支配人:
レディース&ジェントルメン!お待たせ致しました!お集まり頂きました皆様には、今宵、特別なショーをご覧に入れましょう!ここに居りますは、本日の豪華商品!カクテルに浸かっていないと死んでしまうという美しい姫!
今回はこちらが用意した戦士と、お客様の中から参加者を1名募り、命をかけたバトルを行って頂きます!ヤラセなしの生死をかけたデスバトルをぜひお楽しみ下さい!掛け金は一口100万円からです!
アルメラ:
あの男から
ミテイト:
逃げたってヤツはどこまでも追ってくる。だったら、今日ここで決着をつけるしかないんだ。
アルメラ:
ちょっと、まさかとは思うけど、アイツと戦う気じゃないでしょうね!?やめて、死んじゃうわ!アイツがどれだけ強いか…
ミテイト:
分かってる。
アルメラ:
分かってないわ!ヤツがどれほど恐ろしい男か、アナタは会ったことがないからわかってないわよ!
ミテイト:
君も分かってないよ。俺がどれだけ君を好きなのか…解ってない。
アルメラ:
お願い、ミテイトやめて!アナタが死ぬところを見るくらいなら自分が死んだ方がマシなの…お願い…(泣く)
ミテイト:
知ってた?俺はすごく嫉妬深いんだよ?君が笑うなら、その隣には俺がいなくちゃいけない。君が泣くのなら、その理由は俺じゃなきゃいけない。
…でも俺は、君に選ばれたいんだ。無理やり手に入れるんじゃなくて、選ばれたい。
アルメラ:
(泣く)…っバカよ…アナタは本当に大バカだわ!
支配人:
さぁ皆様!ついに挑戦者が現れました!!
…本当に参加されるのですね?このバトルはどちらかが死ぬまで終わりませんよ?
男:
さっき係りのヤツからも聞いた。相手も殺しても罪にはならねーってなァ?最高じゃねーか!アルメラぁぁぁ?ようやく見つけたぞォ?
アルメラ:
…ひっ…!
男:
会いたかった会いたかった会いたかった会いたかったァ!!こんなとこ早く出てまた俺とカゾクになろうぜぇ??死ぬほどアイシテやるから何匹でもガキを作っ…。あぁ…そういえば聞いたぜ?お前手術したんだってなぁ?壊れちゃったんだろ??可哀想にナァ??……って、俺が壊したんだったァァあははは!!
アルメラ:
う゛…っぐ…(吐気を抑える)
ミテイト:
…アルメラ。辛いだろうけど見ていてくれ。長く続いた悪夢は、今日必ず終わらせる。
アルメラ:
ミテイト…。
支配人:
こちらが用意する戦士は、「LIVE」ではお馴染みの銀行強盗、ミテイト!!
ルールは簡単!用意された特設ステージ内で殺し合うだけです!武器はランダムで床から出現しますので、使いたい方はそれを拾って戦って下さい。
男:
殺していいんだなァ?この
支配人:
(小声で) ミテイト。本当にいいんですね?約束通り、
ミテイト:
あぁ、わかってる。
[観客席にて]
アイス:
間に合ったわね!これから始まるみたい。
シェイク:
さぁ、あとは僕たちも楽しもうじゃないか!どっちに賭ける?…って、アイス震えてるね、大丈夫かい?
アイス:
ミテイトが死ぬかもしれないのよ?!…まだ彼とは寝てないのに!!!
シェイク:
そんな力いっぱい言わなくても…
アイス:
私はもちろんミテイトに賭ける!あなたももちろんミテイトに賭けるわよね?
シェイク:
え?うーん…
アイス:
(声大きく)ミテイトー!絶対に勝ってねー!!
男:
ん?…あの観客席にいる奴ら、さっきアルメラの家にいた夫婦じゃねーか。なぁんか変だなァ???もしかしてこれは罠なのか?
さては、アルメラの浮気相手はテメーかァ?!
ミテイト:
浮気相手なんかじゃない。あんたはアルメラの夫でもなければ彼氏ですらないんだから。
男:
あァ?!だったらテメーはアルメラの何なんだ?!
ミテイト:
俺も彼女の何でもない。…俺がアルメラに会った時はもうあんたは塀の中にいて、彼女は精神的に壊れる寸前だった。彼女の自殺を俺が止めたんだ。
男:
そりゃ愛する男がムショに入っちまったんじゃショックで自殺しようともするよなァ?だーけーどー?寂しさを紛らわすためとは言え、こんなヤツと浮気なんて許さねーぞォ???
アルメラ:
う…うっ…もうやめて…アタシのことはほっといてよ!どうして追ってくるのよぉ…
男:
女と言やぁ、ヤれるかどうか、売れるかどうかでしか見れなかった俺が、人生で初めてヒトメボレしたんだ!手に入れて愛しまくって何ガ悪い!!最期までセキニン取ってやろうとちゃーんとここまで迎えに来ただろォ??献身的な夫が、一生愛してやるっつってんのに一体何が不満なんだこのクソ
アルメラ:
もう許して…っうぅ…
アイス:
あの男のやり方には
シェイク:
それは聞き捨てならないな!俺は狂おしいほど君を愛してる!あの男よりずっと狂気的だけど、まだ不満かな?
アイス:
まだ不満よ。もっともっと私に嫉妬してちょーだい?んー。(目を閉じる)
シェイク&アイス:
ちゅっちゅっちゅっちゅ(←ふざける感じでやって下さい)
ミテイト:
(観客席をチラ見して呆れたように) あいつらこんなところでも…。とにかくだ!あんたが全く話の通じないヤツだってことは分かった。やはり殺すしか道はないみたいだ。
男:
キモいんだよ、クソヤロー!!人の女を横取りしようとしやがって。死んで反省すんのはてめぇの方だぜ。
支配人:
それでは、観客の皆様のBET(ベット)も一時締め切りと致しまして、そろそろショーを始めたいと思います!
ステージの周りにはボクシングと同じようなゴムが張られておりますが、ステージ外に落ちますと、多分恐らく絶対に大変なことになりますのでご注意を!…ご覧下さい!
アルメラ:
ステージの周りに剣山みたいな針がっ…!
支配人:
ステージから落ちれば串刺しは免れません!
アイス:
ミテイト、勝算はあるのかしら?これだけのオーディエンスの前で不正も何も出来ないだろうし…。
シェイク:
不正なんてしないさ。アルメラのトラウマの根源は「信じていた人に嘘をつかれた」ことだからね。不正をして騙してあの男に勝ったとしても、アルメラがミテイトに
アイス:
そんなこと言ったって死んだら意味ないじゃない!恋のために命を賭けるの?
シェイク:
男というのは、バカな生き物なんだよ。
支配人:
では、美しい姫を賭けたデスマッチ!スタートです!!
男:
どっからでもかかってきやがれ!観客を沸かせれば沸かせるほど賞金はアップするんだってよォ!テメーの首をポキッと折っちまうより、派手にぶっ殺した方が特ってわけよ!
ミテイト:
お前をぶっ殺せれば俺は金なんてどうだっていい!ハァッ!
男:
(パンチを受け止める) ふはは、殺気だけはすげーが、軽いパンチだなァ?オラァ!
ミテイト:
(カウンターをくらう) ぐッ…!
男:
(殴りながら) ほんとに大丈夫かァ?!カッコつけるのは勝手だが!これじゃあ弱い者イジメになっちまう!
ミテイト:
が、は…っ!はぁ、はぁ…
アルメラ:
ミテイト!お願い、今からでも
男:
観客どもを見てみろぉ?血走った目で涎垂らしてもっと血を見たがっている!棄権なんて認められるわけがねぇ!
アルメラ:
ミテイトに何かしたら許さないんだから!!
男:
ほォ?そいつは楽しみだなァ?何をどうユルサナイッテェ???
アルメラ:
ひっ…
ミテイト:
よそ見してるとはいい度胸じゃねーかッ!(カッターで切りつける)
男:
あぁ゛ん?痛ぇなコラァァ!
支配人:
男が気を取られている間にミテイトが使ったのは、第一の武器!カッターです!男の鍛え上げられた太い右腕に当たりましたが、すぐに折れてしまいました!このように武器はランダムで床から出てきますので、取ったもの勝ちです!
男:
さっきまでは様子見ってか?まぁ片方だけが単にボコられても盛りあがんねーしなぁ?楽しくなってきやがったぜ!!
アイス:
ミテイトは完全に武器頼りよね。肉弾戦では勝ち目がないもの…。
シェイク:
そうだね。カッターはちょうど良く彼の目の前の床から出現したが、今後もそうなるとは限らない…。
支配人:
さぁ、次に出てくる武器は一体なんでしょうか?!
男:
おっと!ナイフじゃねーかァ!俺の方が近、い…!なにぃ?!!?
アルメラ:
え?今、何が起こったの?確かに男の近くにナイフが出てきたはずなのに!ミテイトの方が先に取った…!
ミテイト:
KA-BAR(ケーバー)のミリタリーファイティングナイフか。いいね。
男:
てめぇ…なんだ今の動き。
ミテイト:
本気で来いよ。油断したお前に勝ったってしょうがないんだ。アルメラが二度とお前の夢すら見ないように徹底的に叩き潰してやらないとな!
男:
イチイチイチイチ
ミテイト:
まるでイノシシだな。簡単に避けられる、ぜッ!
男:
ぐっ…!フン、避けたついでにナイフで切りつけてくる、か。でもそんな浅い攻撃じゃ俺は殺せねーぜぇ?
アイス:
(少し惚れ惚れした感じで) シェイク…あの身のこなし、ミテイトって何者なの?いつも銀行強盗を軽くこなして来てるのは伊達じゃないってわけ?
シェイク:
アイス!なんか目が輝いてないかい?!ダメだよ!あんな男に心奪われちゃぁ!!アワアワ
アルメラ:
ミテイト!油断しちゃダメよ!そいつの強さはそんなもんじゃ…!
男:
アルメラはよく分かってるなァァ?さすがは俺のオンナだッ!くらえやッ!!
(SE:バチバチ←電気が流れるような音)
ミテイト:
う゛あ゛あああああ!!
男:
ナイフが出てきた時にこのスタンガンも俺の真後ろに出てきてたんだよなぁ。あーあ、こうやって馬乗りになれば動けネーなぁ?
ミテイト:
くっ…!
男:
それにぃ、ナイフを取った時にお前カッターを捨てたろぉ?ちょっとくらい刃が折れたからってまだ使えるんだからァ、あはは、落し物は返すぜッ!!
(SE:グサグサグサ←刺さる音)
ミテイト:
ぐあぁぁぁぁ゛ッッ!!
アルメラ:
いやぁ!!ミテイト!!
男:
あーあ右肩が血だらけだァ?これじゃーろくにナイフも扱えねーなァ?ただでさえひ弱な攻撃だったのに利き腕が使えないなんて致命的かなァァァ???
ミテイト:
はぁはぁ…っふ、ふふ…果たしてそうかな…?
(SE:刺さる音)
男:
ああああああ゛あ゛あ゛!!
支配人:
ミテイトがいつの間にか持ち替えていた左手で男のわき腹にナイフを刺したーっ!!
アイス:
やったわ!!いつの間にナイフを持ち替えてたの?!
シェイク:
男にスタンガンを当てられた時だよ。わき腹に深くまで刺さっている…彼はどうやら左利きだったみたいだね。
アイス:
え?右利きのはずだわ!殴るときだって右手だったじゃない!
シェイク:
フェイクだよ。効き手を隠しておくだなんて…なかなかやるね!
男:
ふざけ゛や゛がってーーー!!!
アルメラ:
ナイフが刺さったまま立ち上がったわ!でもっ…どうしてあまり血が出ていないのッ?!
ミテイト:
この筋肉ダルマめ…っ!ぐっ…!
シェイク:
あのナイフを抜かないと大きなダメージは与えられない!対してミテイトは…。
アイス:
立ち上がったけど、右腕が真っ赤だわ…!
男:
楽しくなってきたなァァ??俺のわき腹にこんな素敵なアクセサリーまで付けてくれてアリガトナァ??ひはは!絶対にぶっ殺してやる!!
支配人:
素晴らしい!!なんと素晴らしいバトルでしょうか!!皆様!第二次のBET(ベット)も受け付けております!!さぁ!!どんどん賭けて下さいッ!!
アルメラ:
見てられないわ…っうぅ…(泣く)
ミテイト:
アルメラ、目を逸らしちゃダメだ!しっかり見ていてくれ。
アルメラ:
恐いわ…!すごく恐い…!
ミテイト:
分かってる。でも必ず君のトラウマを消してあげるから。見届けてくれ!はぁぁっ!
男:
ぶっ殺してやらぁぁ!!!
アルメラ:
(小声)…違うの、…アタシが恐いのはもうその男じゃない…ミテイトがいなくなってしまうことが恐いの…っ!
支配人:
なんとっ!!ここで男の目の前の床から拳銃が出てきましたッ!!あの銃には弾が1発だけ入っています!!これで勝負が決まるのでしょうかッ!!
男:
これで終わりだァァァァァ!!!(銃をかまえる)
ミテイト:
しまった…!
アルメラ:
(叫ぶ)『 ディラン…っ! “愛してるわ” …っ!!! 』
男:
アルメラ…っ俺の名前を…
(SE:銃声)
シェイク:
アルメラに気を取られて弾が外れたっっ!!
支配人:
その隙にミテイトが
男:
ぐはぁ…ッッッ!!
支配人:
ああああ皆様見て下さいっ!血があんなにたくさん吹き出てっっ!!男がついに膝をつきましたぁぁぁ!!
ミテイト:
はぁ、はぁ…
男:
ふ、フフフ。聞いたかァ?アルメラが、俺を、俺の名前を、呼んで、ア愛してるってよォ。
ミテイト:
お前の気を逸らすためだ…っ!本心なんかじゃない…!
男:
あはは!だとしても???お前は失敗したンだヨ???俺の気を引くために、アルメラは“本気の嘘”をついたンだ!!アイツの心にはしっかり俺が刻み込まれたッ!!もう完全に消すことは出来ないッ!!!ははハはざまぁみろォォォ!!!
ミテイト:
今すぐ、 死 ね
男:
あはははハハ!!アルメラぁぁぁ夢で会おウなァァァ???????
(SE:刺さる音)
支配人:
あぁ…ナイフが男の心臓を貫きましたッ!!イイですよ、ミテイト!!もっと殺れッッ!!
男:
ぐはっ゛…ひひっ、あるめらは一生、おれ、の゛…
ミテイト:
黙れッ!!…お前がこれまでやってきた罪の分だけ、その身に穴を開けてやるッ!!
支配人:
ミテイトが男を引きずってステージの端にっ!ステージの周りには無数の剣山があります!観客の皆様も期待で目が輝いていますねふふふ…。さぁ!!落とせ!!落とせッ!!
ミテイト:
お前のために用意した針山だ。
男:
ひひ、
ミテイト:
…地獄へ落ちろ。
(SE:刺さる音)
男:
ぐぇ…ア゛、…メ、ら…(絶命)
支配人:
んんン…!皆様ご覧下さい!全身を串刺しにされて…ああ、なんて素晴らしい…!!
おっと、
挑戦者死亡により、勝者・ミテイト!!
ミテイト:
はぁ、はぁ……
アイス:
やった!!勝ったわ!!ミテイトが勝った!!
シェイク:
ああ。勝つには勝ったが…
支配人:
おめでとうございますミテイト!!さぁ、姫はあなたのモノです!檻の鍵を。
…ふふふ、イイ目をしていますね、ミテイト。
ミテイト:
……。
(SE:ガチャガチャ←鍵を開ける音)
ミテイト:
アルメラ…俺…
アルメラ:
バカっ!!バカバカバカバカバカ!!!
ミテイト:
…。
アルメラ:
…っ、なんて目してるのよ!このバカ!目を覚ましなさいっ!!
(SE:パァン)
ミテイト:
痛った!!え?ガチの平手打ち?!アルメラ!俺これでもがんばっ…
アルメラ:
(遮るように) アンタは銀行強盗でも暗殺者でもないの…っ!バカでバカでバカなアタシの下僕!!いい?!わかった?!
ミテイト:
あっ、はい!!…ごめんなさ…っっ!!(抱きしめられて言葉を失う)
アルメラ:
心配したんだからぁ…ふぇぇぇ(子どもみたいに泣く)
ミテイト:
うぅ…そんな抱きしめられると右腕が超絶痛い…、けど、うれし…じゃなくて!ごめん、アルメラ…もう大丈夫だから…。
(間)
N:
男は死に、そのことは闇に葬られた。
ミテイトの右腕の
だが、アルメラとミテイトはこの出来事を期に、ようやく関係が進展……したわけでもなかった。
アルメラ:
ねぇ、次は何のカクテルにするー?特別に色を選ばせてあげてもいいわよー?
ミテイト:
えっ!?まだカクテルのプールに入る気なのか?!冗談だろ?!
アルメラ:
そんなすぐに今までの習慣をやめられるわけないでしょー?
ミテイト:
いやいや!俺まだ怪我も治ってないし!銀行強t…じゃなくて、“カルーア通りにお金を拾いに行く”ことも難しいよ!
アイス:
ちょっとちょっとー!カクテルのプールをやめてもらっちゃ困る!私だってこのクリームを買ってもらわなくちゃ困るもの!
シェイク:
そうだそうだ!君は黙ってカルーア通りからお金を拾ってきたまえ!
アルメラ:
もう!またアンタたちは勝手に人の家に入ってきて!
アイス:
だって鍵が開いてたもん!ねー!
シェイク:
ねー!ん~…(←キスしようとする)
シェイク&アイス:
ちゅっちゅっちゅっちゅ
アルメラ:
うっっっっざ!!
シェイク:
それで?
アルメラ:
はぁ?なんでそうなるのよ!
アイス:
いや、だって、ミテイトは命がけであんたのために戦ったんじゃない!グッとくるでしょ普通!
アルメラ:
そんなの知らな~い。はぁ、忙しい忙しい…
アイス:
ミテイト!あんな薄情な女の一体どこが好きなわけ?!
ミテイト:
いいんだよ。アルメラは…俺が好きになった人は、こういう人なんだ。
アイス:
でもあまりにも…
シェイク:
アイス。人様の恋愛に口出しは野暮だよ?ほら、アルメラも忙しいみたいだし、今日は帰ろう。
アイス:
わかったわ。…ミテイト、私ならいつでも寝てあげるから声かけてね!
シェイク:
僕はアルメラを氷細工のモデルにする件、1ミリも諦めてないからよろしく頼むよ!あとアイスと寝たら殺すよ!
ミテイト:
勝手なことばっかり言いやがって!帰れ帰れ!!
アイス:
んふふ、またね~!
シェイク:
はぁ…。アルメラをモデルにするのはやはりしばらくは無理そうだなぁ。
アイス:
残念ね。
シェイク:
最高傑作が出来たら君を思いきり抱いて、そして望み通り殺してあげようと思っているのに…なかなか実現しないものだなぁ。
アイス:
現実はそううまくは行かないもんよ。
シェイク:
そうだね。でも焦らされれば焦らされるほど楽しみになるとも言えるじゃないか!
アイス:
んふふ。もっともっとお互いの“好き”を溜めた末にあなたと寝られたら…もうそれだけで死んじゃうかもしれないわ!
シェイク:
それだと僕まで死んでしまう可能性すらあるなぁ。…くく、楽しみだ!そんな結末も悪くない!
アイス:
愛してるわ、シェイク。
シェイク:
僕も愛してるよ、アイス。
(間)
ミテイト:
はぁ…(深いため息)
アルメラ:
ちょっとー?何やってるのー?アイツらは帰ったのー?
ミテイト:
うん、帰ったよ。
アルメラ:
深いため息なんかついてどうしたの?陰気臭いのは
ミテイト:
俺、「アルメラの悪夢を終わらせる」なんて
アルメラ:
…そうね。アタシにはまだカクテル(アルコール)が必要だわ。
ミテイト:
ごめん…。
アルメラ:
だからほら!まだまだお金が必要だから、アナタには稼いでもらわないと!
“カルーア通りにはお金が落ちている”んでしょ?
ミテイト:
アルメラ…!俺をまだ必要としてくれるのか?
アルメラ:
やーね!必要なのはお金よ!あと甘い甘いカクテル!
ミテイト:
ぐっ…
アルメラ:
ほら!ぼーとしてないで早く来なさいよ。
ミテイト:
え?どこに?
アルメラ:
もちろんカクテルのプールよ!一緒に入りたいんじゃなかったの?!
ミテイト:
…え!入る!入るに決まってるじゃないか!!…やっっっった!!
(間)
N:
二人の関係については、訂正しましょう。
「進展するのはこれから!」、にね。
end.
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カルーア通りにはお金が落ちている【日常編】
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【狂気編】カルーア通りにはお金が落ちている【6人声劇台本】 レイフロ @reifuro
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