あまのじゃく
水谷一志
第1話 俺は誰でしょう?
一
俺は、人と反対のことをするのが好きだ。
人が右を見れば左、左を見れば右を俺は見る。
そんな俺のような存在を人はこう言うのだろう。
「あまのじゃく」と。
二
―とにかく俺は反対に動く。決して人と同調はしない。
でもそんな俺のような存在、今ならどこにでもいるよ。
三
しかしそんな俺ではあるが、一応人とのコミュニケーションはとれている。
―まあ一応、「需要がある」というヤツか。
(そういう言い方もひねくれてるな…俺。)
あとそんな俺は男子からも需要があるが、女子の方が需要が高いらしい。
それはなぜなのか?
誰しも「あまのじゃくとして嫌われたくない。」「自分がどう見られているか気になる。」といった感情を持っているのではないのか?
―そんな普通の人間だからこそ、俺のような非人間的存在を求めるのか?
四
またこうも言えるかもしれない。
「人間には二面性がある。」
俺を必要としてくれる女子たちは、俺を求める時そんな「真逆の自分」を見るのかもしれない。
五
しかし、「あまのじゃく」とは何なのだろう?
俺は時々こうも思う。
例えば右と左。これは見る人によって異なるものだ。
と言うことは、俺みたいな存在も見る人によっては「普通に存在する」のかもしれない。
そう、俺はふとそんなことも考える。
六
「今日も俺、キマってるな~!」
「髪型もバッチリ!ま、今日も合コン行くか!」
七
―何?俺はただのチャラいナルシストだって?
そんなわけねえだろ!
言ったよな?俺はあまのじゃく。
だから俺はナルシストとは【反対側】の存在。
―そのチャラい兄ちゃんが見てる、【鏡】だよ。 (終)
あまのじゃく 水谷一志 @baker_km
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