リラクゼーションセラピストになってはいけない
K.C.moon
1.リラクゼーションセラピストになってはいけない
はじめまして。リラクゼーションセラピスト歴13年目の筆者です。
普段は駅のショッピングモール等に出店しているようなサービス業であるリラクゼーション店舗で、ボディケアやドライヘッド、フット等といった技術を提供しております。
さて、このエッセイを開かれたということは、多少なりにもリラクゼーションセラピストという業種に興味があり、就職についてチラリでも考えた事のある方だとお見受け致します。
ネットを見ても募集を見ても、明るい笑顔や楽しそうな写真と共に高収入、未経験者でも技術を学べば誰でも簡単にできる、自分の時間を大切にできる、働く時間は交渉可…等。
働く側にとっては実に魅力的で夢のある言葉が踊っておりますが、果たして本当にそんなに夢のある職業なのか…?
このエッセイではそんな夢を無残に打ち砕く現状と現実を、現場に実際に携わり、いくつかのリラクゼーション会社をやむなく渡り歩いた、今尚現役スタッフの目線からぶっちゃけた話を書いていこうと思います。
…ただ一つ、勘違いをしてほしくはありませんが、リラクゼーションセラピストという職を無くしたいという訳ではないです。
事実、私は事務、物流、クリエイター、販売、営業…と色々な職をそれなりにこなしながらもストレスを抱え点々とした末、ようやくストレス少なく働け、沢山のお客様に天職ですねと言ってもらえるリラクゼーションセラピストという職にたどり着いたので、きっと私のように天職だと言える同じような方は他にも居るかもしれない。
また自分で天職だとは思うほどではなくとも長年継続してきた自分の技術や仕事に誇りを持ってお客様に接しているセラピストも決して少なくありません。
ただ、数年前の情報ではありますが、某大手サロンのスタッフ向けの配布冊子によるとこの業界に入った人の多くは1年以内に70%が、そして5年以内になると残った人の中の更に90%程の人が辞めてしまっているそうな。
…10年も居てたらお客様にもスタッフにもすっかり化石呼ばわりですよ。
人を育てる努力は企業内でもかなり重要課題として行っているようですが、私が大手から離れて数年経ちますが、元同僚曰くあまり劇的には変化はないようで…
それは、私が転職した小店舗に居てても相変わらずこの業界は離職率が高いな…と思う訳で。
恐らくこの早々の人員離れの原因は、入る前に過剰に良いことが吹き込まれ過ぎてイメージした内容と入った後の現実のギャップがあまりに差があるために、他の職種以上に大きく失望するせいで辞める人が多いのではないかと思うわけです。
他の職種に比べ、この業界は接客業でありながら技術を提供する職なので入っても残念ながらすぐには働けません。
せっかく数週間から数ヶ月掛かって技術を教えたのにやっぱり合わないからとデビューして数ヶ月も経たない内に辞めます…とかやられては、教える方も時間と労力の無駄。
またその技術を数ヶ月程度学んだからといって他社へ転職しても、そもそも企業が求めている経験とは数年掛かってようやく手に入れられる【安定して人が心地良いと思うように触れられる感覚】の事であり、技術自体はそれぞれ企業によって提供技術の理論が違うので確実にほぼ0から研修受け直しになる。
その為、正直どちらも良所は全く無い。
あなたはこの業界に何の為に入るのか…?
業界に入ってしまう前に、思っていた仕事と違った!自分のこの仕事の為に費やした時間は何だったのか…というような後悔をしない為の理想と現実とのギャップを少しでも埋める参考にしていただければ幸いです。
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