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 緑の中を電子が走り、淡い光と共にホログラムが展開する。パソコンを立体的にすればこうなるって感じにな。で、パッド内のフォルダを見ると、まず動画や音楽や、年齢制限がかかる怪しい画像や性癖の分かる文章とかは一切なかった。代わりに俺が欲しいであろう情報と妙に暗号された一つのファイルがあり、そいつは何をやっても開かない。最新の解除ツールに二日間ぶっ通しで解析させてみたがてんで開く気配がなかった。だが、俺が欲しい情報は見える形で十分にある。それによると、俺の次の行き先はすぐに決まった。ここでようやく運が向いたみたいで、そこは俺にとってはまさにうってつけ(、、、、、)の場所だった。が……実は正直、この時もっとよく考えておくべきだったと思ってる。俺はここからさっさとおさらばしたかった。よくは知らないが見知っている人々が死に、友達が一人死んだ。この戦艦ヨシキリが今は墓場にしか思えなかったんだ。


 そして、それは決して俺だけじゃなかった。


 旅支度をしている最中に館内放送が俺を名指しして言った。艦橋にこい。渋々、多分仏頂面だっただろうな、そっちに向かうことにした。詰め始めた荷物をベッドに放り出して俺は自室に鍵をかけずに向かうことにした。


 今思えば実に間抜けだな。



                                  続く

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