四話
北では…
その体躯を朱色に染める、珍しい雷竜がのう。
奴にヤられ…
傷を癒しに、洞窟の奥で眠りについた頃じゃ…
一人の狩人がそれを見てのう。
手柄を立てようと罠を仕掛け……
まあ、横取りじゃな。
トドメを刺そうとした瞬間…
それを追ってきた奴に、両腕を飛ばされ…
胸を…
急所を刺される手前で…
竜が起きて難を逃れたんじゃ。
片方の腕は武器を握ったまま…
壁にぶらさがっていたと言う。
恐いのは…
それが普通だと思っていることじゃよ。
害がないものには、わざわざ自分からやらないがのう。
それが普通だから、心が無いように見えるんじゃろう。
悪魔と呼ばれた所以は…
こういう事なんじゃ…
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