九話

決着が着いたのは…


森と丘の、あの場所じゃった。




翼と嘴が無惨に壊れ…

足を引きずりながら…


まだ白狼を殺す気でいる黒狼の姿があった。



白狼もまた…


腕と足が一本ずつ咬み砕かれ、もう使い物にならん体が…


まだ黒狼の血を欲しがる……




儂が現場に行った時…


胴体から離れた黒狼の頸が…

白狼の腹に深々と食い込んでおった。






よう…爺さん…


先に行ってるぞ?……

ゴボゴボゴボ…





血の海の中…

儂にいつもの悪態をつく、その最期の姿は…



小さな孫のように…

気持ちのいい笑顔をしておった。

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