八話

“咬剃”…の異名を持つ…

猛毒の大剣を知っておるかな?



あれはな。


竜はもとより…

人間も軽く殺せる毒じゃ。

ちょっとでも手を切ってしまったら…



素早く毒抜きをしても…

腕は腐り落ちるじゃろう。



白狼はな…


それを更に一段階強化しおった。



材料に出会うのも奇跡じゃが…

“咬剃”じたい、狩人達は怖がって持たん…




さらに凶悪な“死の咬剃”を持っていた狩人は…


儂でも五人しか知らんのう。


そのうち三人は誤って刃先に触れ…

命を落とした…




そして…

もう25年。


白狼は…


その“死の咬剃”で…


喧嘩を続けておる…







よう爺さん…

相変わらず生きてるな?






悪態をつきながら…

街を後にするその日…



永い殺し合いが…

終わったんじゃよ。

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