第69話 南部王国の脅威2
何が起こるのか、ずっと長時間見守って居た群衆から、シーサラが飛び立った時に歓声が沸き起こった。
シーサラは良い城主だったので有ろう、領民を見れば察する事が出来る。
わしも頑張って、皆が住良い半島王国にせんと!!
シーサラは、マンバ神様の眷属オロチ様が、精鋭2000の軍勢を軽くあしらった氷雨凍結、神術に恐怖していた。
強烈な神術を操る、オロチが恐かった。
あんな反則みたいな技を使われると、戦に成らん!!!
マンバ神様が神術を授ける、と言ってくれて、自分が神術を使える様になった事がまだ信じられず、精神はふわふわと五里霧中をさ迷っていた。
半ば無意識状態で、言われた事を、言われた通りに繰り返しやって居た結果であって、まともな精神状態であったなら、常識が邪魔をして、神術は習得出来なかった。
マンバ神様の巧みな指導に感謝し、あの時殺されず、配下にして頂けた幸運に感謝する、シーサラだった。
わしとオロチが、シーサラに同行して飛ぶ。
飛べる事が嬉しいのであろう、シーサラは子供の様な無邪気な笑顔をして居る。
よろよろとした飛行でも非常に嬉しそうじゃ。
「シーサラ!最初は見た方向に行ってしまう、前を向いてよそ見せず飛ぶ様に!!」
「はい!!マンバ神様!!!」
「シーサラは眷属じゃ、マンバで良いぞ」
「はい!!マンバ様」
自分も人智を越えた、神に1歩近付けたと思うシーサラは、マンバ神の言葉に従った。
「自由に飛べだしたら、次は私が氷雨を指導するわ!!」
「オロチ様!!宜しくお願いします!!!」
「シーサラさん、同じ眷属です、様は止めて」
「えっ?あっ、オロチさ、ん·····」
シーサラは、恐れ敬うオロチ様に、同じ眷属と指摘されたが、同等の身分になったとは全く思っていない、眷属の端くれにしてもらえたのだと、自分が能力的には、オロチ様より遥かに劣ると正しく自覚して居る。
「シーサラ!問題の国境とはあそこか?」
「マンバ様あの砦は護り易いので、置いて居りますが、国境はもう1つ先の山です」
シーサラは南部王国の脅威に、ふわふわした幸福感が、一気に現実に引き戻される思いだった。
「成る程、山脈の僅な切れ目、それを塞ぐ形の砦か、じゃが、山越えされたら素通りじゃな」
「その通りですが、大軍での登山は困難な程の急な山道なのです!!それよりこの先は我が領土なのですが、南部王国は干渉地帯だとほざいて、我が領土側に砦を築いて居るのです」
半島王国の砦の倍以上の砦が見えて来た。
「砦の後ろで野営して居る軍隊は、凡そ15000と言った所じゃな·····よし!!!一旦帰還して全員で壊滅させる!!!シーサラ面白くなるぞ!!!」
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